僕は組織を変えるより、自分や場を変える。その方が断然早い。
— 為末 大さん (@daijapan) 2013年1月29日
個人的にファンな為末さんのツイートがまたもや刺さったのでご共有。
組織はそう簡単には変わらない
若手社員が会社に対する不満(たとえば「あの会議ムダじゃないですか?」)を上長なんかにぶつけると、上長は「おまえが頑張って変えてみろよ!」と激励したりします。ぼくも短いサラリーマン生活のなかで、何度もそういった場面に出くわし、少なからず努力した経験があります。
が、ざんねんながら、そうした努力はまったくもって実りませんでした。組織の論理はあまりにも重く、ぼく風情がなにを言おうが、実質的な変化が起こることはなかったのです。
ぼくはそうした経験を通して、自分の「無力感」を学習しました。少なくともこの会社においては、自分がなにをやっても変わらないんだ、だったら頑張るのはバカらしいからフツーに働くか……というかたちで組織に「最適化」しました。そういう諦めを抱いてからは、仕事のなかで苦痛を感じることは少なくなったことを覚えています。
ぼくはたまたま運がよく、社会人3年目でフリーランスとして独立することができました(事業は順調なので、今後数年は安定的に稼いでいけそうです)。
独立して感じたフリーランスの最たるメリットは、「組織」に順応する必要がないということです。
自分を縛るのは、せいぜい売上目標くらいです。必要な収益さえ稼いでしまえば、あとは自由です。ムダな会議もありませんし、精神修養のような雑用もありません。台風が上陸しているのに職場に出向いて上司の顔を拝みに行く、なんて儀式的な出勤ともおさらばです。自分の好きなように働いても、誰からも文句を言われません。
ぼくは会社を変えることを諦めて、居場所を変えました。これは少なくともスピード感という意味においては、大正解だったと思います。
会社にあと5年、10年いれば自由を獲得できたかもしれません。でも、そのためには組織の論理と戦い続ける必要がありますし、そこまでして会社にこだわる理由もありません。
そもそも、会社はそれで回っているわけで、すでに最適化されている状態なのです。ということは、ぼくが強引に変えようとするのは、会社にとって悪影響をもたらす結果になるのかもしれないのです。
色々な意見があると思いますが、ぼくは為末さんと同様、組織を変える努力をするならば、自分や場を変えるようにしています。その結果、かなり幸せに働くことができるようになりました。
働くのがつらい方、無力感を学習してしまった方は、いま一度「居場所を変える」という選択肢を検討してみてください。
為末さんの新刊。びしびし刺さります。
「やればできる」という姿勢は、結果責任が個人の努力に向かいやすい。子どもは敏感だからそのカラクリにすぐに気づき、本音で夢を語ることを嫌がるようになる。本音で夢を語った瞬間、それがかなわなかったら「お前の努力不足なんだよ」という批判が飛んでくるのを知っているからだ。