名古屋グランパスの元日本代表DF田中マルクス闘莉王(31)のチーム合流が31日、無期延期となった。闘莉王はパスポートの更新忘れのために1月28日のチーム始動に間に合わず、2日にチームに合流する予定だった。しかしこの日、ブラジル外務省のパスポート発給機関でシステム障害が起こり発給ができない状態にあることが判明。キャンプ地のタイに直接移動する見込みだが、その日程も不明となっている。
順調にスタートしたかに見えた2013年のグランパスに、思わぬ大問題が噴出した。大黒柱・闘莉王の合流が、さらに遅れることとなった。しかも予定すら立たない状態。事態を説明した久米GMは「困った。タイに直接入ることになりそうだが、それもいつになるかわからない。大騒ぎだよ」と頭を抱えた。
ブラジルと日本の2つの国籍を持つ闘莉王は、昨年12月にブラジルに帰省した際、査証の不要なブラジルのパスポートで入国。しかし年に一度しか使わないこのパスポートの有効期限が滞在中に切れたことに帰国直前に気付いて申請し、1月28日のチーム始動には間に合わなくなった。さらに今回、ブラジル外務省のパスポート発行機関のシステム障害により、発行がストップ。クラブに入った連絡によると復旧のメドすら立っておらず、4日から始まるタイキャンプ中の現地合流が現実的となった。
ブラジルで闘莉王がどの程度体を動かしているかは不明だが、久米GMは「あれだけの選手、1カ月あれば仕上げてくれるとは思う」と心配はしていない。ただ、攻守に重要な役割を果たす闘莉王のチーム合流が遅れれば、キャンプでの戦術熟成に支障をきたすことは間違いない。
主将のGK楢崎は「その分シーズンでやってくれるでしょう」と苦笑い。28日の始動日にはストイコビッチ監督が「来日したら2人で話すことになるだろう。まあ、できることなら私から彼に有効期限のついたパスポートをあげたい」と冗談めかして話していたが、もはや笑えない事態になってきた。 (宮崎厚志)
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