維新:平沼氏「脱原発」質問せず 時間切れ、大阪系は不満
毎日新聞 2013年01月30日 20時39分(最終更新 01月31日 00時18分)
30日の衆院本会議で行った代表質問で、日本維新の会の平沼赳夫国会議員団代表が予定していた脱原発依存に関する質問ができずに終わった。橋下徹共同代表(大阪市長)が特にこだわって修正を求めた部分だっただけに、大阪系議員からは「話にならない」と不満も漏れた。
橋下氏は平沼氏と質問原稿を事前に調整。原発の安全確認体制の必要性を指摘する表現が弱い点に異議を唱え、現行憲法を廃止する石原慎太郎代表の「廃憲論」を紹介した部分にも懸念を示した。
原発政策を巡っては脱原発依存に重点がある橋下氏と必要性を強調する石原、平沼両氏ら旧太陽の党との間にもともと溝があり、合流時にも最大の論点だった。大阪側と旧太陽側に食い違いがいまだにくすぶることが表面化した形だ。
結局、原発に関する部分は修正され、「段階的に原発依存からフェードアウトし、次第に脱原発を達成することが望ましい」と質問する予定だった。ところが、平沼氏が原稿を読む速度が遅く、読み上げられずに終わった。
平沼氏は質問後、記者団に「言いたいことは言ったが、時間の縛りで言えなかったことがあって残念」と語った。しかし、橋下氏は脱原発依存の質問について29日に記者団に、「本質的な質問になる」と意気込みを示していただけに、大阪系の党幹部は「まいったな」と表情をゆがめた。【木下訓明】