横浜地検川崎支部が自動車の窃盗で誤認起訴 無罪論告へ
【2012年5月23日公開記事】
横浜地方検察庁川崎支部が自動車の窃盗などの罪で起訴し、横浜地方裁判所川崎支部で公判中の男性が冤罪だったことが判明し、同地検支部が無罪論告する予定であることがわかった。
この男性は中川隆成被告(46歳)。現在、神奈川県警察本部大和署に勾留されている。
中川被告から筆者に届いた手紙や弁護人の山根大輔弁護士の話によると、以下のような事実関係があったという。
2011年11月上旬、中川被告は知人から借りた自動車を運転中に、東名高速道路の東京料金所付近でトラックと衝突事故を起こし、いったん自動車を乗り捨てて逃走したものの、警察に出頭した。
当該自動車に盗難届が出ていたことから、神奈川県警宮前署が中川被告を窃盗容疑で逮捕。中川被告は「自動車は知人から借りたもの」と警察官に説明したが、勾留中に自白調書を取られた。
2012年1月26日、横浜地裁川崎支部で開かれた初公判で、中川被告は自動車の窃盗を否認。横浜地検川崎支部は「再捜査する」とした。
4月中旬、横浜地検川崎支部は中川被告から調書を取り直し、無罪論告する予定であることを伝えた。当初の盗難届では、「自動車のカギをこじ開けられた」となっていたが、実際にカギがこじ開けられないことがわかり、「ダッシュボードにカギを置いていた」と改められた。
中川被告は筆者に宛てた手紙で、「私は20~30代にかけて盗難車をロシアに流していたグループの主任をつとめそれが前科である故、ポリにしても検事にしても先入観のもと起訴した」と訴えている。
横浜地検川崎支部は「現在、公判中の事件なので、コメントはできない」としている。
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