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—野獣系のアメリカ人が作った規制は心優しき日本人には似合わない
「いかんせん、美術界にはここ10年くらいフェミニズムの嵐が吹き荒れ、定着しているんでね。キュレーターみたいな肩書きを持った現代美術の世界にいる女性の9割5分はフェミニストと考えたほうが良いと思います。だから、まっ、彼女らが許しませんよ」
そうなると『犬』シリーズはもっての他ということになるのか?
「ダメでしょう。『犬』を作った理由はいろいろあるけれども……まだ宮崎勤事件の前で、その頃、耳情報で“アメリカはロリコンを禁止している”というのを聞いていて、そこで“アメリカのアート関係者に思いきり嫌われるのを書こうかな”というのもあったと思います。僕の場合、結局、それが損になっているんですけれども。まあでも、ロリコンに限らず嫌われることをやると、7割の人に嫌われる代わりに、3割くらいの人に好かれるかもしれないからいいかなと。その作戦ですかね、昔から。そのひとつが美少女系なんですね」
そういうキャラではないと言いつつも編集部が喜ぶ発言を続ける会田氏。このようなエロ雑誌上でロリコン礼賛的な発言をするのも、会田氏の芸術活動の一環なのかもしれない。話題は“アンチ成熟女性”的な方面へ向かった。
「たとえば僕は真っ赤なルージュが嫌いなんです。むんむんの女性が。ハイヒール、ボンデージ、網タイツ、女王様、レースクイーン……そういうの。だから世の中の女性の半分はダメなんです」
では、理想の女性像は?
「まあ、そうは言いつつ年齢も重ねて今や子供もいたりするんですけど……。だから今は複雑ですね。大人同士でセックスありの普通に付き合う女性の好みと、遠くから愛でる対象が真っ二つに分かれていまして。最近は……まあ妻をたてておかなければいけませんので……妻に至ると。結局ね、日常においては、おしゃべりしていて楽しいのが一番ですね。顔とか容姿とかはもういいですよ。一方で愛でる対象としての好みは……どうせ自分が付き合うわけじゃないんで……中2くらいじゃなければダメです。中1は早すぎ、中3は遅すぎ。幼女もダメ。胸も“ツン”くらいは尖ってくれないと」
会田氏に代わってお断りしておくと、会話中に「ロリコン」発言がためらいなく出てくるが、それは編集部が用意したキーワードを使っているだけである。
「そもそも中2がいいと言う人間をロリコンと呼ぶのは本来おかしいと思うんですよ。生理前の幼女しか愛せない、病気と言えば病気で同情する余地ありの人をそう呼ぶべきであってね。近代以前の社会だったら14歳くらいで元服、みたいな世界がありましたよね。わからないけれども、現代の色に染まっていない先住民みたいな人たちだと、15歳くらいで結婚するんじゃないですかね。現代の日本というか、世界がおかしいんであってね。25歳くらいまで勉強させて、結婚はまだまだ先でしょうという現代の常識は、本質を考えれば、そちらのほうがおかしいのではないかという気がしますけどね。いろいろな意味で現代の子供は待たされすぎている、裏返すと大人は抑圧しているような気がしますね」
本質を突く鋭いご意見。そんなわけで実社会と離れたポジションで、14歳をイメージした美少女を愛でている。