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<大津・中2自殺>いじめが直接的要因…第三者委が報告書

毎日新聞 1月31日(木)20時23分配信

<大津・中2自殺>いじめが直接的要因…第三者委が報告書

いじめに関する第三者調査委員会の横山巌委員長(左)から報告書を受け取る越直美・大津市長=大津市役所で2013年1月31日、長谷川直亮撮影

 大津市で11年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、市の第三者調査委員会(委員長・横山巌弁護士)は31日、調査報告書を越直美市長に提出した。生徒の自殺原因について「重篤ないじめ行為は、自死につながる直接的要因になった」と明記。滋賀県警が暴行容疑で書類送検するなどした同級生3人のうち、1人は関与が少なく「いじめとは認定しない」と判断した。また、学校・教育委員会の対応や報道のあり方について問題点を指摘し、再発防止策を提言した。

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 報告書は230ページで、一部を黒塗りした上で越市長が公表した。男子生徒に対し、11年9月初旬から10月上旬にかけて19件のいじめがあったと認定。男子生徒が「死にたい」と塾で友人に漏らしていたことなども挙げ、「いじめが屈辱感、絶望感と無力感をもたらし、死を望む気持ちを抱かせた」とした。

 また、生徒の自殺前に複数の教師が「いじめを認識できる状況にあった」と指摘。しかし、情報の共有化不足など複合的な原因により、いじめの発見を見逃し、自殺を防げなかったとした。

 市教委が言及していた「家庭の要因」については、親子の信頼関係は崩れておらず「要因とは認められなかった」と否定。「虐待家庭というフィクションが、いじめと自死の関係の解明に重大な障壁となった」と強調した。

 更に自殺の3日後、学校と市教委は弁護士に相談したが、その記録が後日削除されていたとして、「自死の原因を家庭問題へ逃げた。組織防衛に走った」と批判した。

 委員は教育評論家の尾木直樹氏ら大学教授、弁護士、臨床心理士ら6人。昨年8月末から12回の会合を開き、生徒、教師、市教委幹部ら延べ56人に聞き取りをし、学校や市教委の内部資料も調査した。市役所で記者会見した横山委員長は「今回の提言が少しでも子供たちの命がなくなることの予防策に生かされれば」と述べた。

 越市長は「学校と市教委に自殺原因を責任転嫁するような行為があったことを深くおわびする」と謝罪。遺族が市や同級生らに損害賠償を求めた訴訟で、和解を目指す考えを改めて示した。【千葉紀和、前本麻有、古屋敷尚子】

最終更新:1月31日(木)22時47分

毎日新聞

 

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