もし過去に戻れたら――。
そんな想像が度を超えて、
頭の中を何周もグルグル回って
僕を離さない時期があった。数年前だ。
『あの時』に戻って何かを変える。
歴史のページを塗り替えるとか、そんな大それたことを考えはしないけれど、
もっとパーソナルな部分での『もしも』を夢見ることは数え切れずある。
あの時照れずにちゃんとあなたの目を見て、「ありがとう」って言えていたら――。
震えるか細い声でも「ありがとう」って伝えれていたら――。
見過ごし見逃した機会は数あれど、それは全て「過去」にあり、「今」にはない。
言えていたら――。
伝えれていたら――。
もしそんなことができていたら、
今の僕の隣には変わらない笑顔の君がいてくれたのかな。
解のない空想は、足枷のように僕の足取りの軽快さを奪う。
重みを感じながらも確実に前進できる。できてしまう。
その事実にいささかの非情感をもちながらも、とまどいながらも、
めまぐるしい日々に身を投げる。
美化した想いや戸惑いや後悔といった、それら諸々を振り払うように。
ありがとうって 思うことの方が 断然の多いのに
どうしてもっと うまい具合に 話せないんだろう
『Home』で唄いあげられる一節。
素朴すぎて言い忘れそうにいつもなるけど、
それで繫ぎ止めておける関係もあるのかもしれない。
でも一方で、言葉のあるなしで決定づけられない絆を探している。
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