中国:大気汚染地域さらに拡大 病院に患者相次ぐ

毎日新聞 2013年01月31日 19時58分(最終更新 01月31日 20時27分)

大気汚染の悪化で体調を崩し、マスクをつけて病院に駆けつけた9歳の女の子と家族=北京市内の病院で2013年1月31日、工藤哲撮影
大気汚染の悪化で体調を崩し、マスクをつけて病院に駆けつけた9歳の女の子と家族=北京市内の病院で2013年1月31日、工藤哲撮影

 【北京・工藤哲】中国各地で大気汚染の深刻な地域がさらに拡大し、中国国内の医療機関には、のどや目の痛みを訴える患者が詰めかけている。特に幼い子供や、屋外の活動が多い警察官などの健康悪化が懸念され、当局は対応に追われている。視界不良による交通事故も相次いでおり、影響の広がりに中国国外からも懸念の声が上がっている。

 中国環境保護省によると、1月30日のデータで、大気汚染の高い数値を示しているのは北京や天津、上海、陝西(せんせい)省西安、江蘇省南京、遼寧(りょうねい)省瀋陽、黒竜江省ハルビンなどで約143万平方キロ。日本の面積の4倍近くに達した。

 北京市中心部の朝陽区にある病院では31日午後、家族連れで駆けつけてきたマスク姿の子供の姿が目立った。「幼稚園が休みになった。こんな天気大嫌い」。北京市通州区の平紫※(へい・しき=※は王へんに其)ちゃん(5)はマスク越しに訴えた。父親のタクシー運転手、平海超(へい・かいちょう)さん(29)は「数日前から『のどが痛い』と言い始めた」と不安がる。近くにいた康家麟(こう・かりん)君(4)はへんとうが炎症を起こして水も飲めないため、点滴が必要という。

 各地では、連日の大気汚染が解消されず、外出する人もまばらだ。北京の日壇公園で清掃を担当する男性の王跌東(おう・てつとう)さんは「ここ数日、人の数は半分に減った」と話す。

 中国メディアは31日、視界不良のため北京市中心部の高速道路で車100台が追突事故などを起こしたと伝えた。数百メートル先もはっきり見えない状態が続いており、飛行機が欠航し、主要道路の通行も規制されている。公用車の走行を控える対策も取られているが、北京で公用車875台の違反通行が判明するなど、徹底は不十分だ。

 通行量の多い幹線道路でマスクなしのまま交通整理を担当する警察官らの健康悪化も懸念されている。インターネット上での非難を受け、当局は30日になってマスク着用での勤務を認め始めた。商店ではマスクや空気洗浄機が飛ぶように売れている。

 中国の大気汚染の日本への影響について、加藤勝信官房副長官は31日の記者会見で「現時点でただちに影響があるというレベルではないということだが、引き続き環境省で調査するなど適切な対応を図る」と述べた。

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