2013-01-17 12:00:29 ●『ドラゴンコレクション』とiPhoneの名作がコラボ!
KONAMIの大ヒットソーシャルコンテンツ『ドラゴンコレクション』(以下、『ドラコレ』)。ソーシャルゲーム市場と、フリーtoプレイの礎を作ったといっても過言ではない本作が、iPhoneの名作『ソード&ポーカー』とコラボレーション。『ドラコレ&ポーカー』という完全新作が、近日配信されることが明らかになった。じつは、『ソード&ポーカー』はガイアの岡田耕始氏が手掛けた初のスマホ向けRPG。そこで今回は、岡田氏と『ドラコレ』の生みの親である兼吉完聡氏のふたりにインタビューを敢行。本作が誕生した経緯を聞いた。
ガイア 代表取締役 岡田耕始(写真左) | コナミデジタルエンタテインメント 兼吉プロダクション エグゼクティブプロデューサー 兼吉完聡(写真右) |
ポーカーをベースに、『ドラコレ』に登場するモンスターの育成要素を取り入れたRPG。基本ルールは、『ソード&ポーカー』を踏襲。場に出ている9枚に手札のカードを組み合わせ、ポーカーの役を作って敵を攻撃するというもの。さらに、本作では他プレイヤーと協力するソーシャル性やデッキ編成の要素が盛り込まれ、ゲーム性が大幅に向上している。
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▲デッキは、自分のモンスター5体と、他プレイヤーが育成した1体を加えた6体編成。役は縦、横、斜めの組み合わせで成立する。 |
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▲編成したモンスターの種類に応じて、役で与えるダメージが変化。モンスターは、育成して強化させることもできる。 |
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▲『ドラコレ』でおなじみのモンスターが多数登場。どんなデッキで挑むかはプレイヤー次第! |
●『ドラコレ&ポーカー』誕生秘話に迫る ――おふたりは、『ドラコレ&ポーカー』にどういった立場で関わられているのですか? 岡田耕始氏(以下、岡田) アドバイザー的な立場で、やらせてもらっています。肩書きをどうするかという悩みもありますが(笑)。
兼吉完聡氏(以下、兼吉) 『ドラコレ&ポーカー』の開発は弊社で行っています。『ソード&ポーカー』を踏襲するにあたってここは外せない、といったところは岡田さんから意見をいただきながら進めています。
――『ソード&ポーカー』の1作目がリリースされたのは2010年でしたが、なぜこのタイミングでの発表になったのでしょうか? 兼吉 いまは配信が再開されていますが、一時『ソード&ポーカー』がApp Storeからなくなっていた時期があったんです。続編を待っていた中で、「だったら我々で作りたい」という流れになり、岡田さんに作らせてくださいとお願いしたのが、去年のことでした。
――なるほど。兼吉さん自身が、『ソード&ポーカー』のファンだったんですね。 兼吉 そうですね。『ソード&ポーカー2』も最後までやり込ませていただきました。
――企画当初から『ドラコレ』と『ソード&ポーカー』でコラボレーションしたい、という想いがあったのでしょうか? 兼吉 じつは、最初は『ドラコレ』とのコラボは考えていませんでした。別のオリジナルのモチーフを使って、『ソード&ポーカー』に新しいゲーム性を加えられたら、きっとおもしろいものができるだろうと考えていたんです。そういったご提案を我々からさせていただいたのですが、企画を練っていくうちに、我々の本気を示すためには、やはりより大きなコンテンツである『ドラコレ』を乗せるのがいちばんいいのではないかと思いまして、再度岡田さんへ提案させていただきました。
――その提案を受けたとき、岡田さんは率直にどんな感想を持たれたのでしょうか? 岡田 本当に驚きました。最初は、『ソード&ポーカー』を使ってソーシャルゲームを展開するというご提案をいただいていたんです。それが、急に『ドラコレ』とのコラボになり、逆に「いいんですか?」という思いでした(笑)。
兼吉 『ソード&ポーカー』が魅力的な作品でしたので、ぜひ我々でも大成功にもっていきたいという思いが強くありました。
――『ソード&ポーカー』というのは、いちばん魅力を感じた部分はどこでしたか? 兼吉 最初はふつうのポーカーゲームだと思っていたんです。場に9枚あるところに、カードを加えて役を作るルールとなんですが、とっつきやすさに加え、やっていくと戦略を考えないといけない部分があり、やり込むほど、おもしろいゲームだと強く感じました。
▲画面は『ソード&ポーカー』。武器によって役のダメージが変わったり、4隅を取ることが戦略の鍵になったりと、ポーカーとは違った深い戦力性が魅力。
(C)GAIA CO.,LTD. ――そうですよね。あのルールは発明だと思いました。どういう発想であのようなステムができたのですか? 岡田 とにかく触ってもらって遊んでもらうということを前提に製作しました。日本が当然最初のターゲットでしたが、“わかりやすいRPGを世界へ”というコンセ プトで、それにハマッたのがポーカーだったんです。どなたでもルールは知っているだろうと思いましたし、多少わからないところがあっても、やっていけばお のずとわかるはずと。逆に、その後の、まさに今兼吉さんがおっしゃっていた、9マス(5×5)を使うというところを生み出すには、相当苦労しました。試行錯誤の連続でした。ただのポー カーだと少し消化不良でしたし、戦略性もどうかなと。現在のルールを考えるまでに結構時間がかかってしまいましたが、やはり 自分たちの納得したものを出したいと思い、妥協せずに作り込んでいきましたね。そもそも、ポーカーに行き着くまでも、ほかのカードゲームですとか、あとス ロットも多少イメージはしていたんです。結果的にですが、縦、横、斜めのラインで役が成立するというスロット的なイメージも取り入れて、落ち着いたのかな という感じです。
――1作目と2作目が出てヒットしていたと思うんですが、3作目を作ろうとはお考えにならなかったのですか? 岡田 1作目で思った以上にユーザーの皆さんには喜んでいただけて、国内でのランキングも上位に入ること ができました。それならばつぎも出そうということで、『ソード&ポーカー2』はあまり時間をおかずに、新要素よりも、どちらかと言うとボリュームをアップ させる方向で出したんです。ちょうどその時期にソーシャルコンテンツにも興味があって、『3』をダウンロードで完結するスタンドアローンで出すというのは、 ちょっと違うかなと。『2』リリース以降、日本以上に海外から、とくにヨーロッパ辺りからは対戦したいというユーザーさんの声を非常に多くいただいていた んですよ。そういうコミュニケーションまでいかなくても、つぎはそういったソーシャル性を取り入れた形で何かできないかと思っていたので、スタンドアロー ンでの続編というものは考えていませんでした。
――岡田さんは、『ドラコレ』にどんな印象をお持ちだったのでしょうか? 岡田 当時だとフィーチャーフォン版しかなかったので、それを遊ばせてもらっていました。フィーチャーフォンのアプリ開発は、いかに手軽に遊んでもらうかと同時に、深く長く遊んでもらうことが重要で、要素の入れ込みかたが難しいんです。ですが『ドラコレ』は、いい意味で”そぎ落とすところはそぎ落とす”と割り切っているんですが、実際に遊ぶと深くハマる魅力がありました。
――なるほど。相思相愛だったわけですね。岡田さんはアドバイザーとして関わっているとのことでしたが、「ここだけは絶対に譲れない」という部分はありましたか? 岡田 その辺は、スタッフの皆さんが『ソード&ポーカー』をやり込んでくださっていて、仕様が上がった時点でほぼ文句のつけようがない状態でした。お世辞ではなく、愛情すら感じましたね。逆に、こちらがソーシャルというものを勉強させてもらったぐらいです。
――『ドラコレ』とは、ゲーム性がまったく別のものに変わると思いますが、これまでのファンに受け入れられてもらえるかという、不安はありませんでしたか? 兼吉 『ドラコレ』は、つねに進化を続けていきたいと思っているコンテンツです。こういったガラっとルールが変わるというのも、なるべく恐れずにチャレンジしていきたいと思っています。そういった意味では、アミューズメントのほうで『シシトウ団の野望』のような新しい取り組みをしてますし、つねに新しいことを切り拓いていくという思いで作っています。ですので、変わる怖さよりも停滞することへの怖さのほうが強く感じます。
岡田 その進化していくという部分が、『ドラコレ』の中にはすごくあると思うんです。あれだけの数のユーザーさんの希望や要望を聞くと、どうなってしまうんだろ うと思ってしまいますよね。(笑)つねによりいい形に進化し続けている『ドラコレ』は、ほかのアプリとは一線を画していると思いますね。その精神は共感出来ますね。
――『ソード&ポーカー』は売り切り型、『ドラコレ』は基本プレイ無料の運営型と、それぞれビジネスモデルが違いますが、その点についてはどうお考えでしょうか? 兼吉 やはり我々としては基本無料で、とにかく多くのお客様に遊んでもらいたいという考えがあります。そこがうまく『ソード&ポーカー』のシステムに乗るかどうかという不安はありましたが、そもそもポーカーというのは、誰でも楽しめるルールです。多少の不安は感じましたが、最終的には自信のある形で作り上げることができたと思っています。
――リリース後に追加する仕様があれば、教えていただけないでしょうか。 兼吉 まだ実際の運営が始まっていないので、詳細までお話しできないのですが、新マップの追加など、『ドラコレ&ポーカー』ならではの運営ができたらと思います。
岡田 『ソード&ポーカー』でゲームの基本的な仕様は完結しているので、あとはそれを一気に入れるのか、運営を継続していく中で順番に出していくのかという部分はしっかりと話し合いました。やはり最初にドーンと入れて、「さあ遊んでください」とやったほうがいいんのではないかという考えもありつつ、それだといままで『ドラコレ』を遊んでいた方からすると、ルール部分が煩雑に思われてしまうかもしれません。ですので、段階的に追加していく形に落ち着きました。そういった意味では、隠し玉と言っていいのかどうかわかりませんが、全部の要素を入れていませんね。
兼吉 ぜひ遊んでいただいたお客様の声を取り入れつつ、運営をやっていきたいと思っています。
――『ドラコレ&ポーカー』というのは、岡田さんの中では『ソード&ポーカー』シリーズの系譜に連なる作品という捉え方なのでしょうか。 岡田 そうですね。まさにさっきの続編という部分で、単純に従来のダウンロードで完結するということではなくて、ソーシャルコンテンツという部分で理想的な形だと思います。
――兼吉さんにとっても『ドラコレ』の新しい形ができたと? 兼吉 『ドラコレ』の中の新しい形ですし、『ソード&ポーカー』にとっても新しい形を提供できたのではと思っています。
――実際に『ドラコレ&ポーカー』を遊んだおふたりの感想をお聞かせください。 兼吉 私も『ソード&ポーカー2』を最後までやって、遊びきってしまった後、すごい寂しい思いをしたんですが、『ドラコレ&ポーカー』という自分自身でも遊んでみたいと思えるタイトルができたことが非常に嬉しいです。
岡田 モンスターの技の部分が資料だけだとイメージしにくいところがあったんですが、実際にできあがったものを見て、「ああ、こうなるのか」と納得できました。従来の『ソード&ポーカー』のルールにモンスターの重要性が反映されていて、デッキの組み方や合成でどう育てるみたいな部分に、本当に大きな可能性を感じます。
――両タイトルのファンも楽しみですね。 兼吉 『ドラコレ』の世界観というのも、非常に多くのお客様に受け入れていただいているテイストを心がけております。そこに誰でも遊べるポーカーというルールを組み合わせることで、本当にどんな方でも楽しめるものができたと思います。両作品のどちらのファンの方にも楽しんでいただければと思います。
岡田 『ソード&ポーカー』の製作側としても、ひとりのユーザー側としても、理想的な形のソーシャルコンテンツに仕上がったと思います。存分に楽しんでいただけるという自信がありますので、ぜひ遊んでみてください。
※掲載している『ドラコレ&ポーカー』の画面は、すべて開発中のものです。