池上彰流・文章力をアップさせるために「使ってはいけない言葉」

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2013/01/31


未読のベストセラー本を色々読みあさっています。第七章の「この言葉・表現は使わない」が面白かったのでご共有です。ぼくもものを書いている人間なので、とても参考になりました。

1. 「そして」「それから」

文章力を高めようと思って、自分に課したことがあります。それは、接続詞をなるべく使わないことです。「そして」や「それから」の類です。これらの接続詞が多い文章は、幼稚になりがちです。

(中略)本来、文章が論理的であれば、「そして」や「それから」は不要なはずです。

(中略)「接続詞を使わないで文章を書こう」と決意しますと、接続詞がなくても論旨が通るように文章の論理を研ぎすまさなければなりません。この努力を続けていくと、論理的で読みやすい文章が書けるようになるのです。

いきなりズバっと来ますね。さすが池上さん。これは図らずもぼく自身も気をつけていることでした。意識せずに書いているとつい「そして」「それから」を使ってしまうのですが、あとで読み返すと幼稚でびっくりするんですよね。いま書いている本は、ほとんどこの種の接続詞は使っていません。


2. 順接の「が」

「〜〜ですが」「〜〜ではあるが」「〜〜だが」などの「が」は通常、逆説です。それまでの文章の逆の内容をこれから否定する、ということです。

(中略)D. 今日はよい天気ですが、お元気でしょうか。
E. 彼は仕事ができるが、スポーツもできる。
F. 当店でお買い物いただくと、お手持ちのカードにポイントがつきますが、水曜日は二倍のポイントが付きます。

(中略)こうした順接や曖昧の「が」があると、文章は非常にわかりにくくあります。が、この「が」が横行しているのもまた事実です。

いやー、これもやってしまいがちですね。ぼくもあとから気づいて頻繁に修正しています…。


3. 「ところで」「さて」

「ところで」や「さて」も使いすぎないほうがよいでしょう。論理の積み重ねの腰を折ってしまうからです。

これらのことばは別の話題に移り変わるときに使うものなので、多用すると受け手が混乱してしまうんですよね。「ところで」が必要な文章は、論理的に無理があるとすら言えると思います。こちらもぼくは意識的に使わないようにしています。


4. 「いずれにしても」

「いずれにしても」「いずれにしましても」は、絶対に使ってはいけません。
「いずれにしても」は、その直前まで書いていたことの論理に関係なく話を無理にまとめる好意です。場合によっては、それまでの論理の流れを否定しかねません。

まぁ、池上さんは色々仰っているんですが、いずれにしても、文章を書くというのは難しいということですね。…とか。「いずれにしても」は、自分のいいたいことに、強引に引き込むようなときに使ってしまいがちですよね。気をつけましょう。


5. メールの絵文字

少なくとも仕事でメールを送るときには、これらの文字(絵文字)は使うべきではありません。相手に幼稚な印象を与えるだけでなく、これらの文字は「逃げ」であり、「手抜き」でもあるからです。

文章は本来、相手が読むだけで、的確に理解できるものでなくてはいけません。たとえば「悲しい」ことを文章で伝える場合には、それ相応の手間と能力を要します。

唯一これは池上さんと意見が違う部分。池上さんは「(笑)」「(涙)」も使ってはいけないと書かれているのですが、ぼくは仕事のメールでも使っていますし、別段悪いことだとも思っていません。一時期は「(:」みたいな絵文字にもハマってました。

絵文字や「(笑)」によって、コミュニケーションのスピードが上がるのは、仕事上、むしろ好ましいことです。まぁ明らかにギャルギャルしいものはさすがに幼稚に見えるので、一般的にはせいぜい「(笑)」や「(:」が許されるラインだと思いますが…。


その他、「話す」「聞く」「書く」能力について、さまざまな知見がまとまっています。コミュニケーション能力全般を高めたい方はぜひご一読あれ。

ライターとしては、この本自体の「わかりやすさ」にも刺激を受けました。かなり読みやすく、深みがあり、それでいて内容は平易です。すばらしいですね。

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