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【社会】

東電、福島第一原発を公開 廃炉 険しい道のり

福島第一原発4号機の原子炉建屋(左)と燃料を取り出すための新たな構造物の土台(右)=28日、福島県大熊町で(写真は代表撮影)

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 東京電力は二十八日、報道各社の社会、科学両部長に、福島第一原発を公開した。事故から二年近くが経過し、発電所構内は一日三千人が働く巨大な工事現場そのものになっていた。 (科学部長・吉田薫)

 プールに約千五百体の使用済み核燃料が残る4号機の脇では、背の高いクレーンが動き、核燃料取り出しのための骨組みが組み上がりつつあった。セシウム以外の多くの放射性物質を、高濃度汚染水を処理した後の水から取り除く施設も建設されていた。

 構内はまだ放射線量の高い場所があり、海側の場所では、いまだにひっくりかえった車が処分できず放置されている。取材中、3号機付近では、一般人の年間被ばく限度(一ミリシーベルト)を一時間で超える毎時一・三ミリシーベルト超を記録した。

 さらに、敷地は処理水をためるタンクだらけで、タンク増設が限界に近づいていることもうかがえた。建屋への地下水の流入を減らし、汚染水量を抑えるための井戸が敷地の山側で掘り進められているものの、効果は未知数だ。

 福島第一の高橋毅所長は「現場は落ち着いてきたが、(溶け落ちた)核燃料の取り出しには十年以上かかる」と、廃炉作業は長期にわたるとの認識をあらためて示した。

 

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