任天堂の岩田聡社長(53)は31日のアナリスト向け説明会で、平成26年3月期に1千億円以上の営業利益を目指すことについて、「コミットメント(公約)」と説明し、達成できない場合は辞任を含め経営責任を取る可能性を示唆した。同社は前日、25年3月期の連結営業損益予想を200億円の赤字に下方修正しており、目標達成のハードルは高い。14年から同社社長を務めてきた岩田氏の“捨て身の覚悟”で業績回復をアピールする狙いだ。
岩田社長は、2年連続の営業赤字見通しとなったことに触れ、「責任を痛感している」と陳謝。そのうえで、「今後は、携帯型ゲーム機『ニンテンドー3DS』で、『ポケットモンスター』の新作など有力ソフトが出てくる」と目標達成の根拠を説明した。
また、昨年発売した次世代型家庭用ゲーム機「Wii U(ウィー・ユー)」の販売も低迷する中、携帯型ゲーム機と家庭用ゲーム機の開発部門を一本化する方針も明らかにした。
岩田社長は「達成できなかった場合は、どう責任を取るのか」という質問に対し、「コミットメントという言葉を使ったことで、ご理解頂きたい」と強い決意を示した。
任天堂向けのゲームソフト開発会社社長だった岩田氏は、山内溥・任天堂社長(現・相談役)に「ゲーム開発と経営の双方の能力を持つ人材」と評価され、14年に、わずか43歳の若さで社長に抜擢(ばってき)された。
31日の大阪証券取引所では、任天堂株に取引開始から売り注文が集まり、一時、前日終値比530円安の8820円まで下落した。
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