練習で巧みなボールコントロールを見せるグランパスのMFヤキモフスキー(手前)=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスに新加入したマケドニア人MFニコラ・ヤキモフスキー(22)が底知れぬ実力を示し始めた。30日の練習では華麗なテクニックの一端を披露し、チームメートの評価は上々。「ヤキと呼んでくれ」と積極的にチームに溶け込む男は、強力な新兵器になりそうだ。
謎のベールに包まれていたヤキモフスキーが、救世主となる可能性を示し始めた。始動日から3日目。実戦に近い形のパス練習では主力組の左サイドに入った。軽快な動きでボールを受けると、ワンタッチで周りのダニルソンや玉田にパスをさばく。シンプルな動きの中に、極上のテクニックがかいま見えた。
増川が「キープはできそうだね。体も強いよ」と新しいチームメートを評せば、磯村も「左利きの割には右も使える」と186センチの体格に似合わぬ繊細な技術を称賛した。小川は「自信を持ってプレーしている。気持ちが強そう」。好意的な見方が相次いだ。
新戦力の動きに目を光らせた久米GMは、「慣れてくればもっとできる。ブルザノビッチよりよさそうだね」と高評価。11年まで3年間グランパスに在籍し、62試合10得点の成績を残したモンテネグロ代表MFよりも力は上と語った。
当のヤキモフスキーは違和感なくチームに溶け込んでいる。「ヤキと呼んでくれ。マケドニア語で『強い』という意味なんだ」と話し、周囲とコミュニケーションを図っている。「みんなフレンドリー。技術のレベルも高い。名古屋での暮らしを気に入っているよ」と笑顔で語った。
来日して1週間ほどだが、すでに「すし」に挑戦したという。「日本での食事は何でもおいしい。自分で作ろうかな」と異文化を吸収しようという意欲も旺盛。日本の生活への適応もすんなりとできそうだ。
入団会見にはタキシードにちょうネクタイ姿で現れて周囲の度肝を抜き、グラウンドでも確かな力を見せ始めた“ヤキ”。その存在感は日増しに高まっている。 (木村尚公)
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