巨人の沢村拓一投手(24)が30日、脱力投法に取り組んでいることを明かした。常時150キロ前後の剛速球を誇る力投派だが、宮崎合同自主トレではイメチェンに挑戦。WBC代表候補にも選ばれている右腕は飛躍の3年目に向け、新フォーム完成を目指す。
この日は初めて捕手を座らせて31球を投げた。心掛けたのは力を抜くことだった。「メジャーの投手も日本の素晴らしいピッチャーも、みんな力が入っていないままリリースまで持っていく。そうすれば無駄な動きもなくなるし、スムーズにバランスよく投げられる。今の1番のテーマですね」。今オフも代名詞とも言える筋力トレで体重は100キロを突破。頑健な体を自由に操るためのカギが脱力だった。
沢村が意識改革に取り組んだ背景には原監督からの叱咤(しった)激励がある。「2年連続2桁勝利といっても、いくつ貯金したの」。リーグ連覇のカギとなる中日戦こそ4勝3敗と1つ勝ち越しているが、2年間の通算成績は21勝21敗。指揮官は貯金を一つもつくれなかったことを厳しく指摘した。そして抑え転向プランまで口にした。
先発にこだわりを持つ沢村としては、実力で首脳陣を見返すしかない状況だ。ローテ死守、そして勝てる投手への進化へ。「3年目なので責任も備わってくる」と強い自覚を持って自分を追い込んでいく。 (臼杵秀之)
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