中国:習総書記「食事を大量に残す慣習改めよ」
毎日新聞 2013年01月29日 19時01分(最終更新 01月29日 19時42分)
【北京・工藤哲】中国共産党機関紙「人民日報」は29日付で、習近平(しゅう・きんぺい)総書記が党幹部に対し、宴会などで大量の食事を残す慣習を改めるよう指示を出したと伝えた。習総書記は党幹部の視察や儀礼の簡素化を進めているが、国中が祝賀ムードとなる2月の春節(旧正月)を控え、食事の面でも無駄を排除し、党運営の簡素化を改めて徹底させる狙いとみられる。
人民日報によると、習氏は「多くの党幹部が公費で食事を浪費する慣習には心が痛む」と指摘したと伝えた。中国では食事を食べ切ることは「まだ足りない」との意思を示すとの考え方が根強くあり、大量の食事が残されることが一般化している。官公庁では高級幹部の浪費が横行し、最近でも海南省の貧困地域の幹部が3度の公費宴会で計約1万5000元(約22万円)を使っていたことが明らかになり処分を受けた。
中国メディアによると、中国農業大学が規模の違う3都市で2700のテーブルに残された残飯をもとに推計したところ、中国国内で1年間に浪費するたんぱく質は800万トン、脂肪は300万トンに上り、2億人の1年間の食糧に相当することが判明した。
官公庁などでは、これまでの慣習を改め、交流会などを簡素化する動きが広がっている。党幹部が利用してきたホテルのレストランの予約率は減ったものの、公的機関名を使わない宴会は依然続いているとの報道もある。