これまでの放送

2013年1月27日放送

冬の睡眠に深刻な落とし穴がっ!

困ったゾ★冬は睡眠障害の季節★
      今回のサキどりは実験、実験、でガッテンだっ!!

寝苦しそうな昇々

「仕事中もボーっとしちゃう」
      冬の睡眠にお困り★高井さん

布団に入った高井さん富山県。造園業の会社に勤める高井忠司さん(36)。10年ほど前から、毎年冬になると、ぐっすり眠れないという悩みを抱えていました。富山市の1月の平均気温は2.7度。よく眠れない原因は、この寒さにあると考えた高井さん。寝るときは厚手のパジャマにネックウォーマー、それにニット帽を装着。冬はこうしてふとんに入るというのです。寝具は厚手のかけぶとんに、厚手の毛布、そしてタオルケット。さらに湯たんぽも。8年前に結婚した妻の幸江さんもびっくりの重装備です。

 

料理をする奥さんそして、迎えた朝。帽子とネックウォーマーはしっかり付けていますが、ぐっすり眠ることはできません。そんな夫のために幸江さんは、体が温かくなるよう、食事に気を配っています。体を温める食材、レンコンなどの根菜をふんだんに使ったり、味噌汁に酒粕をたっぷり加えたり。「あんなに着込んでいるのに寒い、寒いと言うんで、体の芯から温まってないのかなという思いがありました。」しかし、幸江さんの努力もむなしく、高井さんの悩みが解決することはありませんでした。

つまみ枝豆さん(タレント)

つまみ枝豆さん(タレント)

眠りについては、ものすごく悩んでるんですけど、ここ近年はあきらめていたんですよ。もうしょうがないだろうと。枕かえるときも、まあぶっちゃけた話、何万円するか、みたいなのも買ってますけど、駄目だったりすることもあって、マットレスをかえたり布団をかえたり、いろいろ環境を変えるんですけど、やっぱり寝れなくて。で、もうあきらめてたっていう...。

冬に眠る習慣をつけないと春に大変!深刻な病に

遠藤先生睡眠に悩むのは高井さんだけではありません。実は日本人の5人に1人は睡眠障害。ぐっすり眠れない人が多いんです。特に冬場の睡眠障害は要注意。この番組でおなじみのお医者さん、遠藤拓郎さんいわく、「この時期はすっきり眠れず、だらだら寝ちゃうことが増える。いざしっかり寝ようとすると、寝れない現象が生じる。」思い当たる節があるというあなた。今すぐ睡眠を改善しないと、なんと最悪の場合、5月病、5月鬱を発症してしまう可能性もっ!遠藤さんによると、高井さんが冬にぐっすり眠れない原因のひとつは、防寒対策にあると言います。

防寒対策をして眠ると... 仰天!こんなに違うッ!

寝ている昇々いったいどういうこと?番組では、あの人に体を張って実験してもらうことにしました。番組リポーター、落語家の春風亭昇々さん。睡眠についてまったく悩んだことのない脳天気な昇々さん。まずはいつもどおりに寝てもらい、特殊な機械を使って睡眠の深さを調べてみました。「途中で起きなかったですね。ぐっすり寝ました。」睡眠の深さを見てみると...眠ってから、朝起きるまで深い眠りと浅い眠りを何度か繰り返していますが、途中で目が覚めることを表す「覚醒」には至っていません。専門家によると、この結果は理想的なよい睡眠リズムだそうです。

防寒姿の昇々では次の日、高井さんと同じ服装で寝てもらいました。厚手のパジャマにネックウォーマー、ニット帽。もちろん湯たんぽも。すると、昨日とは、打って変わって・・・。翌朝。前の日と同じ時刻に訪ねてみると、確かに眠そう。「目覚めることはありました?」「いや、目は覚めていないですね。」昇々さん、途中で目を覚ますことはなかったといいますが、睡眠の深さを見てみると、驚くべき結果が!「覚醒」が7回も発生。実はずっと眠っていたつもりでも、途中、知らず知らずに起きているということがあるんだそうです。昇々さんの場合、その時間を合わせるとなんと40分もありました。

覚醒とレム睡眠のデータ昇々さんは「目は覚めていない」と言っていたのに、脳波は起きているときと同じ状態になっていたのはなぜ?富山大学の神川康子教授によりますと、科学的には目覚めたことになっているのに、その時間が短い上に、そのあとすぐに深い眠りがやってくるので、本人の記憶には残らないということなんだそうです。それだけではありません。さらに分析してもらうと、通常、眠ると減る心拍数が減っておらず、寝ている間中も、ずっと心拍数が早いままで推移しているというのです。「起きているときと同じ心拍や呼吸数を維持すると、体も脳も休まない状態になってしまう。起きてからの生活の質も落とすことにつながります。(神川教授)」

睡眠と体温の深い関係 大事なのは"頭寒足熱"

高井さんの全身姿この格好のどこがいけないのか?実はやり方によっては逆効果になってしまうことがあるそうなんです。ゲストの三橋美穂さんによると、どこでも温めればいいというわけではなくて、『頭寒足熱』、頭が涼しくて足元が暖かい状態が、リラックスして深い眠りに入りやすいということ。例えば、いろいろ考えてしまうような時は脳の温度が下がらないので、後頭部や額は冷やすと眠りやすくなります。また足を温めるのは大事です。ただし注意することは、日中はくような締め付けが強い靴下をはかないこと。血行が妨げられて、うまく放熱ができなくなってしまい、逆に温まらなくなってしまいます。

実験!実験!また実験!最も快適な布団はどれ?

説明をする大郷さん睡眠に悩む人の集まりがあると聞き、やってきたのは富山市の寝具店。講師を務めるのは、大郷卓也さんです。お店を営むかたわら、睡眠改善インストラクターの資格を取得。8年前からは、医師やスポーツインストラクターとチームを組み、市民や企業を対象とした講座で眠りの大切さを伝え続けてきました。色んな悩みに対して、大郷さんが最も大切にしているポイントは「布団の中の温度」。布団の中が32~33度で、湿度が50%を維持すると快適な眠りができるといいます。

...とはいえ、どうしたらこの温度になるの?そこで20代から50代までの男女6人に協力してもらい、実験をしてみることにしました。用意したのは、綿の布団と羽毛の布団。しかも、それぞれ重さや組み合わせを代えてみます。毛布は同じ物を使って、この中で一番快適な温度は?皆さんには、布団の中に入って1時間じっとしてもらいました。1時間経ったら、布団の中の温度を計測。これを全員に6パターン繰り返してもらいます。その結果がこちら。(下図)6人の平均値を見ると、綿布団はどれも全滅。羽毛布団の2つが最も快適なことがわかりました。...羽毛布団、すごーい。温度の結果こみ写真6パターン

干している布団じゃあ、綿布団を使っている人は快適に眠れないの?いえ、ご安心を。次の実験スタート!都内某所で見つけた重さ3.5キロの綿布団。まずは睡眠計をつけて一晩寝てもらったところ・・・。布団の中の温度は、なんと、これまでで最低の27.2度。睡眠計を見てみると一晩で4~5回の覚醒があらわれていました。続いてその晩。同じ綿布団に"一手間"を加えて寝てもらうと...。今度は布団の中が30.5度。前の日に比べ3度もアップしました。確かに睡眠計を見ると、覚醒回数が減少し、深い眠りの時間もより長く現れていました。ダメダメ綿布団を劇的に変えた"一手間"。それはお日様!日中、外で干しただけ。こうすることで湿気がなくなる上に、布団の中に暖かい空気の層ができ、快適な睡眠になるんです。

簡単!寝る前に ころんころん♪
      安眠をもたらす 寝返り体操!

枝豆さんを指導しているところスタジオでは大郷卓也さんに「寝返り体操」を教えていただきました。この体操は寝返りをスムーズに行えるようにするためのもの。年齢とともに筋肉量が落ちて寝返りがうまくできなくなってくると、朝起きた時に肩や背中、腰なども痛くなったりします。それの予防です。
(ポイント1)両膝を立て、両手をお腹の上に起き、頭は枕から離さず、左右に転がる。
(ポイント2)寝る前に左右5回以上繰り返す。

三橋さんによると、適度な寝返り(一晩で20~30回)は必要で、それが少な過ぎても多過ぎてもよくない。寝返りは、深い眠りと浅い眠りの切り替わるタイミングで増えるので、寝返りがスムーズにできると、その睡眠のリズムが整ってくるとのことです。

大郷卓也さん(睡眠改善インストラクター)

大郷卓也さん(睡眠改善インストラクター)

人生にとって大切な体操っていうのはですね、ラジオ体操とか筋トレとかじゃなくて、ぜひ「寝返り体操」っていうのをやっていただければ。(笑)

三橋美穂さん(快眠セラピスト)

三橋美穂さん(快眠セラピスト)

(日本人1世帯当たりの年間に寝具に掛けるお金は8604円...)寝具というのは人に見せるものでもないので、ずっと同じものを使っていたり、良いものだったら一生使えるんじゃないかと思っていたりしますよね。人間の体重は結構あって、頭だけでも大体4キロから6キロぐらい。それが一晩中ごろごろしていますので、体の重みが掛かれば、やっぱりお布団もへたってきます。ですから適度なタイミングで寝具の交換も必要になります。靴は踵がすり減れば1年に何足か買いますよね。それと同じこと。寝具にも、もう少し目を向けていただくと、もっとぐっすり気持ちよく眠れると思います。

冬の睡眠にお困り★高井さん その後は?

布団をおろす高井さん冬になるとぐっすり眠れないとお悩みだった、富山市の高井忠司さん。この冬、思い切って15年ぶりに布団と枕を買い替えました。ニット帽とネックウォーマーをはずし、寝る前には「寝返り体操」を欠かしません。「熟睡した感じはあります?」「はい。寝ました。パッと目が覚めて、体がぽかぽかしてスッキリしてます。」お悩み、無事解決のようです。正しい対策をすればあなたも快眠できるはず!

お問い合わせ先

医師 遠藤拓郎さんの睡眠外来クリニック
スリープクリニック調布
ホームページ:http://www.sleepmedicine-tokyo.com/

「寝返り体操」を指導してくれた大郷卓也さんが経営する寝具店
ねむり家
ホームページ:http://www.nemuriya.net/

大郷さんが提唱する、布団の買い換え時期の目安
 ・敷き布団 4~5年
 ・掛け布団(羽毛布団) 10年
      (綿布団) 5~6年
カビラさん選曲のエンディングの曲
曲名:「The Lion Sleeps Tonight」
歌手名:The Tokens (1961)