番組編集で甘利氏の名誉毀損、テレ東に賠償命令
2013年1月30日(水)9時50分配信 読売新聞
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原発に関するインタビューを都合良く編集した番組で名誉を傷つけられたとして、甘利経済財政相がテレビ東京側に1150万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(都築政則裁判長)は29日、「不適切な編集で、原告の社会的評価を損なった」として、同社側に330万円の賠償を命じる判決を言い渡した。
問題となったのは、2011年6月18日放送の「田勢康弘の週刊ニュース新書」。番組は、06年に経済産業相も務めた甘利氏がインタビュー中、当時野党が津波で原発の電源が失われるとする質問主意書を提出していたと指摘されると、取材を中断したとナレーション入りで報じた。甘利氏側は「都合の悪い質問から逃げたとの印象を視聴者に与える」と訴えていた。
判決は、主意書にそのような記述はないのに、同社側が「主意書は『津波で電源を失う危険性』を指摘した」とナレーションに加えた点を批判。「原告の無責任さを示そうとする意図がうかがえる内容で、名誉毀損が成立する」と判断した。
一方、謝罪放送や田勢氏に対する請求は退けた。
甘利氏側は「番組の悪質性を認定した判決だ」としている。
テレビ東京の話「判決文を精査の上、今後の対応を決めたい」