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マイナビ女子オープン準決勝対局、断念の背景と経緯説明

 先般ご報告させて頂きました、次期「マイナビ女子オープン」への棋戦不参加と、30日(水)の準決勝対局断念に至る経緯、並びに当協会の考え方をお知らせ致します。
 併せて本件への正しいご理解を頂く為に、三者契約者のうち、株式会社マイナビ様への出状書面を公開させて頂きます。                                                             

     <経緯>

 1、当協会(以下「協会」)は規程に則り、2012年7月、渡部愛女流3級を協会所属女流プロ棋士として認定しました。

 2、これを受けて、同業の他団体である公益社団法人日本将棋連盟(以下「連盟」)からは、2012年10月吉日付(10月15日到着)田中寅彦常務理事(当時)名義の書面にて協会に対して次のような意向表明がありました。
 「公益社団法人に認定されましたこと誠におめでとうございました。併せまして、貴団体所属の渡部愛様が貴団体の認める女流プロ3級になられましたこと、併せてお慶び申し上げます。渡部様におかれましては若く有望な方とのおうわさをかねがね伺っております。LPSA認定女流プロとしてのみならず、今後、弊団体認定女流プロとなっていただき、弊団体が主催として関わる棋戦にご出場され、ご活躍いただきたいと願っております。」という内容のものです。

 3、これに対して協会は2012年10月26日付、業務執行理事庄田育夫より、連盟に対して次のように説明しました。
 「去る7月貴連盟に、当協会所属プロ誕生のご連絡をさせて頂きましたが、このたび、貴職から当協会の代表理事石橋幸緒宛てに、当協会女流プロ誕生に祝意を賜り、厚く御礼申し上げます。尚、貴職文中、「今後、弊団体認定女流プロとなっていただき・・・」との記載がございますが、当協会が永年にわたり指導・教育・育成して認定した棋士を、同業他団体の組織に属して研修並びに認定を受けることはございません。」

 4、ご関係の皆様に改めて申し上げるまでもなく、協会は自らの所属プロ認定を、同業である他団体にお伺いを立てることは致しません。
 これは、例えれば、メーカーが自社新製品を発表する際に、同業の他社メーカーに「当社が開発した新製品を発表してもよろしいでしょうか」とのお伺いなどはたてないことと同様です。

 5、その後2012年12月5日付で連盟田中常務理事(当時)名義にて協会に対して、再び次のような書面がまいりました。
 「弊団体が認定する女流棋士3級の資格を得ていただけなければ、弊団体が主催としてかかわる公式戦に出場していただくことができません。」

 6、それに対して協会の庄田業務執行理事より、2012年12月14日付書面により再び以下の回答をいたしました。
 「貴職宛に10月26日付書面に記しました内容のとおりでございます。」

 7、この間、複数の主催者(スポンサー様)からは、次のような見解が協会に対して提示されました。
 「渡部女流3級の棋戦参加を認めるには、連盟が良ければいい。連盟に合意してもらうように。」
 この事実は、次の第8項前段での説明でも明確ですが、今後の我が国女流プロ棋士輩出は連盟というひとつの団体が独占することになり、他の団体の活動等は永続することなく阻害され、継続不能に陥る危険性が大であります。

 8、念のため申し添えますが、協会は連盟に対して、将棋界共通の女流プロ棋士制度を、連盟と共に創設の上、その共同運営を行う等、過去に提案しましたが、この協会提案は連盟から拒否されました。
 その後も連盟役員等による協会会員に対する執拗な脱会工作等は、既に一部週刊誌などでご承知の方も多いと存じます。これは一方の団体組織の弱体化を図り、結果として将棋文化普及事業等を独占する事に他なりません。
 このような連盟による妨害行為事実を考え併せたとき、連盟が協会の女流プロ誕生に合意する事が現実的に実現可能とは思えません。

 9、このようなやり取りの中にあって、渡部3級誕生後の昨年10月には連盟が所属女流プロ棋士誕生を発表しましたが、その後、この女流棋士は公式戦参加が認められております。
 尚、当然のことながら、協会としては同業他団体の認定した事に異を唱えることは全くありません。
 しかしながら、繰り返しになりますが、これでは公益法人が他の公益法人の活動を排他的に制限することにほかなりません。

 10、このような経緯から、渡部愛女流プロ3級の出場が許されず、かつ、棋戦三者契約から一方の当事者である協会が排除される事は看過できません。
 今回の決断は、個人のみに職業選択の自由や生活権侵害等も含んだ苦痛の思いを背負わせるのではなく、その苦難を法人としての協会も共有して克服するべきとの結論に至った次第です。

 11、我が国に二つしか存在しないプロ所属の公益法人将棋団体として、私共の対局の姿を多くの将棋ファンやご関係の皆様にお見せ出来ない事は、誠に心苦しく深くお詫び申し上げます。
 しかしながら協会は、このような理不尽な排他的取扱に服従することは、法治国家の一員として、また我が国公益法人の一端を担う立場として、決して容認出来ないとの結論に至り今回の行動となりました。

 皆様におかれましては、何卒ご理解の程心よりお願い申し上げます。

*添付:株式会社マイナビ社宛て書面 「次期マイナビ女子オープンへの弊協会不出場について(ご通知)」

                                                            以上
                                                   平成25年1月30日
                                           公益社団法人 日本女子プロ将棋協会(LPSA)

 
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