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天王寺の市立美術館閉鎖、中之島に新設・統合へ大阪市が、老朽化した市立美術館(天王寺区)を閉鎖し、北区中之島に計画中の新たな美術館との統合を検討していることがわかった。建設予定地は国から購入しており、契約上、3月末までに美術館を建設しなければ、市は国に最大48億円の違約金を支払うことになり、2月の幹部会議で最終判断する。 橋下徹市長が29日、記者団に「美術館を持つことは全否定していない。二つを併存させるわけにはいかず、一本化の検討が必要」と述べ、移転統合を担当部局に検討するよう指示したことを明らかにした。 市立美術館は1936年に開館し、尾形光琳や葛飾北斎の日本画など約8000点を収蔵。年約60万人が来館しているが、老朽化が進み、補修対策が課題だった。中之島への所蔵品の移転が決まれば、同美術館は閉鎖される。 市は83年、近代美術館の建設構想を発表。国から、中之島の大阪大医学部跡を「美術館を建設する」との条件で、入札を経ずに約160億円で購入し、モディリアーニや佐伯祐三らの洋画など約4400点を収蔵する予定だった。 しかし、その後、財政難で頓挫し、一昨年12月に就任した橋下市長が計画を白紙に戻し、再検討を指示。昨年12月、市は中之島エリアを観光拠点化する「中之島ミュージアムアイランド構想」を進めることを決め、新美術館の整備の検討を始めた。 契約によると、美術館が建設できなければ48億円の違約金が発生し、今年3月末に完成しない場合は16億円を支払う内容で、市は建設を決めた場合、国に建設期限の延長を申し入れる方針だ。 (2013年1月30日 読売新聞)
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