広島電鉄:駅前大橋線、高架案へ方針転換 「JRへの乗り継ぎ良い」 /広島

毎日新聞 2013年01月30日 地方版

 広島市中心部とJR広島駅南口を結ぶ広島電鉄の新線「駅前大橋線」について、広電は高架方式で広島駅に乗り入れる方針を固めた。椋田昌夫社長は毎日新聞の取材に「高架案はJRへの乗り継ぎが良い。広島の交通体系の前進に協力したい」と述べ、共同で整備を進める広島市やJR西日本に協力する姿勢を示した。これまで高架を希望するJR西に対し、広電の越智秀信・前社長は景観などを理由に地下方式を支持していた。市は両案を比較して今年度末に結論を出す方針で、決着に向けた議論が大きく前進しそうだ。【植田憲尚】

 現状の路線では、駅前から東側に回り道をする形で市中心部の八丁堀方面につながっているため、市は99年から改善方法を模索してきた。10年には、JR広島駅南口周辺の整備について話し合う検討委の中で、乗り入れ方法を協議してきた。

 駅前大橋線が実現すれば、市中心部から広島駅までの所要時間は、現在の15分程度から約3〜4分短縮できる見込みだ。10年に就任した広電の越智前社長は、景観や交通渋滞緩和の観点から、駅南を流れる猿猴川の下を掘削して、橋桁を避けて軌道を通す地下案を支持。一方のJR西は、在来線や新幹線への乗り継ぎなどの利便性を考慮し、高架で広島駅に乗り入れる案を推していた。当初は平面案もあったが、昨年11月に「平面案は交通渋滞が生じる可能性が高い」という理由で、地下と高架の2案に絞り込まれていた。

 越智前社長は今月8日に解任され、椋田社長は翌9日の就任記者会見で、駅前大橋線について言及し「一度平地に戻す。行政の方向性にできるかぎり協力する」と表明した。さらに「整備事業は、いわゆる行政主体で進める事案で、私どもは整備に協力する立場。地下案は越智氏以外に賛成していない」と方針転換する構えを見せていた。

 市都市交通部は「地下、高架両方で検討する」という構えで、引き続き両案を基に今年度末に結論を出す方針。事業費を比べると、一般的には高架が地下より安くなるという。

 高架案が実現した場合、路面電車が傾斜を登ることになるが、市都市交通部は「技術的な問題はクリアしている」としており、駅前大橋から直線の軌道を設けてJR広島駅へ乗り入れる見通しだ。

 乗り入れ先は駅ビル「アッセ」の2〜3階部分となる予定で、そこからJRの改札に乗り継ぐ形になる。高架案の場合は、JR西がアッセを改装する見込みだ。

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