2013年01月16日

これじゃ駄目・・・。

只今・・・ウチでお預かり致しております横浜市在住のN様のW124 E400・・・。

CPモジュールのO/H等色々なメニューの御依頼を戴いておりますが・・・。

これからお話することは個人や他の業者への誹謗中傷ではなく、現実にまずい修理を行ってしまった結果、モジュールが短命に終わりかねない状況に陥っていたLHモジュールの修理の例です。

施工された業者さんを御選択されることはユーザーさんの御意志による任意の選択ですので、あえて社名や実名等の公開は控えさせて戴きます。

ただ・・・結果論としてダメなものはダメなのでダメな理由を解説しながら報告させて戴きたく存じます。

とらも今回は個人的感情は一切控えさせて戴きますことを御了承下さいませ。

★この度、LHモジュールが弊社にて分解修理に至った理由。

LHモジュールでのデータ処理の不安定さとリセットの効く自己診断によるエラーが度々発生していたことから原因探究の為の分解検査を開始するに至りました。


@LHモジュール基盤の目視検査。



外部ケースに修理を施工した会社のラベルが貼り付けてあった為に過去の修理における交換部品や施工箇所の目視及び微弱電流を導通させる等の方法にて検査を行いました。



数か所の交換された部品の確認&検査を行った上で、過去の修理によって施工されたハンダの箇所に酸化、腐食が見られました。



↑この部分に至ってはハンダを盛るランドの部分へのハンダ盛付不良に起因するハンダの分離が発生しており接触不良に至っている状況でした。

原因としては不良部品の取り外し後の基盤の清掃とハンダ部分の下地処理及び漏れた電解コンデンサーの電解液の除去を行っていないことが原因だと判断されます。


A交換されている電子部品の規格及び状態検査。

LHモジュールに限らず車両搭載用モジュールの場合、使用条件は家庭用の電化製品と異なり外気温の温度変化やエンジン熱、振動等を加味した設計がマストであります。

又、基盤設計時に予め使用される温度条件を想定した設計を行う必要があります。

トランジスターやFET等で構成される増幅回路やスイッチング回路には動作時に発生する熱のカロリーを想定した上でヒートシンク等の設置を行い基盤上の実装部品の耐熱度も重要な部分となります。

その為、基盤修理に際しては基盤の動作時に晒される条件に見合った交換部品の選定が必須となります。

このLHモジュールに関しましては純正の状態で電解コンデンサーやタンタルコンデンサーに類する物全てに105℃以上の耐用品が用いられていますので修理&交換には同等品又はそれ以上のスペックのものが必要になります。



↑右側の電解コンデンサーは音響用の85℃耐用品で左のタンタルコンデンサーも16V規格なので基盤上で発生する熱に対する余裕がありません。



↑このリードタイプの電解コンデンサーも純正では105℃規格ですがこの基盤には85℃規格のものが装着されていました。

尚、一部には省電力回路用の105℃規格の電解コンデンサーを用いておりましたがこのLHモジュールの基盤の動作用途には適しません。

おまけにハンダを載せる部分(ランド)の下地処理を怠っているのでハンダが中途半端に溶解して凝固しています。

その他・・・F/Pリレーコントロール部分のFET脱着時の下地処理もされず基盤への再コーティングも行われていない故に部品交換箇所のハンダの酸化が進んでいました。

B再修理作業

リード式以外の電解コンデンサー全数を125℃規格の国産品に交換します。



放熱を要する半導体部品のヒートシンクを一度取り去り、交換を要す半導体は交換します。

そして、ヒートシンクと半導体の放熱部分に放熱用の対策を施します。





そして、タンタルコンデンサーに至っては電圧許容が数段高いものに交換して熱変化に余裕を持たせます。



リード式の電解コンデンサーは熱の影響を受けにくい故、105℃規格のモノにて対処です。

よって・・・これだけ↓の消耗品を交換して、純正よりも耐久性を上げて部品交換は完了です。



お次は基盤の腐食対策の要とも言えるコーティング!



ツヤツヤでしょ?お肌も基盤もみずみずしく・・・。


【考察】

このままの状況ですと各電解コンデンサーの耐久性が低いことから2年ももてば良い方でした。

又、基盤のランド部分の酸化も顕著で将来的にハンダの分離及び割れを発生する可能性もありました。

既に85℃規格電解コンデンサーの性能低下は顕著に始まっており、材料選択が宜しく無く対策措置が全く講じられていなかったことをここに報告致します。


この度も弊社企業秘密の要素のある部分の公開は致しませんが弊社ノウハウを追加させて戴いた内容にて再修理とさせて戴きました。

この「遠回り」とも言えるユーザーさんが負担したコストは大きなものだと思います。


恐らく前回のLHをO/Hした後の改善度合は良かったかと思います。

が・・・しかし「好調」が長続きしない故に短い期間で再度検査を行い不調が判明し、「過去の修復は何だったの?」と思ってしまうかと思います。

保証期間数か月の間では発生しない問題も2年程度で発生して再度修理・・・。

そう思ううちに「コンピュータの修理は意味が無い。」などと囁かれるのが関の山ですね・・・。

それを、とら的には「失敗」と捉えるもので・・・。

結局・・・CPを小手先修理や部品選択ミスなどしようものならば将来的にリスクを背負うのはユーザーさんで、新車から20年目でCP修理を行って以降2年足らずで調子悪くなれば修理、O/Hの意味が無いということですよ。

とらはそんな話は全て「失敗」として見ます。

だから・・・

私、失敗しませんから!

は修理後の長いスパンでの「長持ち」も含めて申し上げております。


短い期間だけ好調なら良いという修理・・・→ 致しません!

¥安けりゃヨイという修理・・・→ 致しません!


まあ、後は何処に修理を任せるかはユーザーさん御自身で御判断下さいませ。

別にこのブログで他社中傷の上で客集めしよう何てつまらない神様みたいな業者と同じ考えは御座居ませんですからぁ〜!

どうぞ!ユーザーさんが良いと思ったお好きな業者さんに御依頼下さいませ。


Posted at 13:15| 修理ネタ | この記事のURL | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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