韓国:衛星打ち上げに初成功
毎日新聞 2013年01月30日 19時32分(最終更新 01月30日 19時47分)
【ソウル西脇真一】韓国初の人工衛星ロケット羅老(ナロ)号(KSLV−1)は30日午後4時(日本時間同)、南部・全羅南道(チョルラナムド)の羅老宇宙センターから打ち上げられ、衛星が予定軌道に投入された。この成功で、韓国は昨年12月の北朝鮮に続き世界で11番目の自力による人工衛星打ち上げ国となった。羅老号は09年と10年に空中爆発を起こすなどして失敗。今回もトラブルで打ち上げが2度延期されたが、面目を保った形だ。
韓国教育科学技術省と韓国航空宇宙研究院は記者会見で「発射540秒後に衛星を分離し目標軌道に進入させ打ち上げに成功した」と発表。羅老号はロシアの技術を導入しているが、20年までに「韓国型宇宙ロケット」を独自開発する方針を明らかにした。李明博(イ・ミョンバク)大統領は「本格的な宇宙開発時代を開く出発点となった。国力を一段階高める契機にしよう」と成功を祝った。
羅老号は長さ約33メートル、直径2.9メートル。重さ100キロ級の小型衛星を低軌道に乗せる目的で02年、金大中(キム・デジュン)政権時代に開発に着手。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の04年にはロシアと協力協定を結んだ。
一方、北朝鮮は「人工衛星」打ち上げと称する長距離弾道ミサイル発射実験に対する国連安全保障理事会の非難決議採択を強く批判しており、国際社会から非難を受けない隣国・韓国の成功に反発するとみられる。