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鳥インフルエンザ 研究再開へ
1月24日 5時12分

鳥インフルエンザ 研究再開へ
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テロに悪用されるおそれがあるという指摘を受け、毒性の強い鳥インフルエンザウイルスの一部の研究を中断していた日本など世界の研究者が、実験環境の見直しが進んだとして、1年ぶりに研究を再開するとする声明を発表しました。

声明は、日本など世界各地の研究者40人が連名で科学雑誌「サイエンス」と「ネイチャー」の電子版に同時に発表しました。
毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザウイルスを巡っては、おととし、アメリカ政府が感染力を強めた研究がテロに悪用されるおそれがあると指摘し、日本人研究者を含む2つのグループに一時、詳細な論文を公表しないよう求めました。
これに対し世界の研究者は、「議論する時間が必要だ」として去年1月以降、自主的にこの分野の研究を中断していました。
声明では、WHO=世界保健機関が研究の安全性向上に向け提言をまとめたほか、各国で安全対策が整いつつあるなど実験環境の見直しが進んだ一方、ヒトで流行した場合の対策を検討しておく必要があるとして研究を再開するとしています。
声明を発表した一人で、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授は、「研究の中断は損失だったが、各国で実験環境を見直すきっかけにはなった。今後、ヒトのワクチンの開発など研究が進むことを期待したい」と話しています。

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