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風疹で障害がある赤ちゃん 予防接種を
1月30日 16時45分

風疹の流行が去年から続き、妊娠初期の女性が感染して障害がある赤ちゃんが生まれたケースが相次いで報告されていることから、厚生労働省は、妊娠を希望する女性や妊婦の家族などに予防接種を受けるよう呼びかける通知を都道府県などに出しました。

発熱や発疹などの症状が出る風疹は、患者のせきやくしゃみを通じて感染し、妊娠初期の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんが心臓や耳、目などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあります。
国立感染症研究所によりますと、去年10月から今月にかけて大阪、兵庫、埼玉、香川で生まれた合わせて6人の赤ちゃんが「先天性風疹症候群」と診断されたということです。
風疹は去年の春以降、関東や関西を中心に大流行し、去年1年間の患者数は2353人と過去5年間で最も多くなりました。
ことしに入ってからも流行は収まらず、今月20日までの3週間に新たに風疹と診断された患者は154人で、去年の同じ時期の9倍となっています。
患者の8割近くは男性で、その多くが子どものころに風疹の予防接種を受けていない20代から40代です。
このため厚生労働省は、都道府県などに通知を出し、この中で、妊娠を希望する女性をはじめ、妊婦の夫や同居する家族で風疹にかかったことがなく、予防接種を受けていない人に対して、予防接種を受けるよう呼びかけています。

都内の医療機関でも呼びかけ

都内の医療機関では風疹の抗体が十分にない妊婦に対して、夫などの家族にも予防接種を受けてもらうよう呼びかけています。
東京・世田谷区にある国立成育医療研究センターでは、風疹の抗体が十分にないことが検査で分かった妊婦に対して、感染を防ぐため、人混みを避けたり、マスクを着けたりするよう呼びかけてきましたが、今週からは夫にも風疹の予防接種を受けてもらうよう呼びかけています。
ことしの風疹の患者の8割近くが男性で、その多くが子どもの頃に風疹の予防接種を受けていない20代から40代のため、妊婦が夫から感染するケースを防ぎたいとしています。
国立成育医療研究センター産科医長の久保隆彦医師は「夫から妊婦に感染するケースが非常に多い。今対策を打っておかないと障害の出る赤ちゃんがさらに増えるので、妊婦や赤ちゃんを守るために抗体が十分にない妊婦の夫は予防接種をしてほしい」と話しています。

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