【西川迅】原子力規制委員会は30日、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の活用のあり方を盛り込んだ原子力災害対策指針の改定案を示した。東京電力福島第一原発事故で役立たなかったことから、原発事故が起きた際の住民避難をすべきかどうかの判断には使わずに、あくまでも参考情報として位置づける。
指針案では、国による住民避難の指示の判断は、原発半径5キロ圏内は、放射性物質の拡散の有無にかかわらず、電力会社からの重大事故の通報と同時に即時避難することにした。SPEEDIは、風向きなどとともに住民が避難する方角を検討する際の参考情報の一つとして国が活用する。
福島第一原発事故前の指針では、SPEEDIで放射性物質の拡散地域を予測したうえで、住民を避難させるかどうかを国が判断する仕組みになっていた。