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ダニ媒介のウイルスで国内初の死者
1月30日 18時2分

去年秋、山口県内でダニが媒介するウイルスによる感染症で1人が死亡していたことが分かりました。国内で感染が確認されたのは初めてで、厚生労働省は、全国の医療機関に対し、同じような症状で患者が死亡した場合は、直ちに報告するよう求めました。

厚生労働省によりますと、去年秋、山口県内の病院に発熱やおう吐などの症状を訴えて入院した患者が、血小板の値などが著しく低下し、全身の状態が悪化して死亡したということです。
国立感染症研究所が調査をしたところ、患者の血液などからSFTS=「重症熱性血小板減少症候群」を引き起こすウイルスが検出されたということです。
国内でこのウイルスによる感染が確認されたのは初めてです。
ダニが媒介して感染し、6日から2週間の潜伏期間を経て発熱やおう吐などの症状が出て、重症化すると死亡するケースもあるということです。
このウイルスはおととし中国で発見された新種で、中国では少なくとも200人の患者が報告され、致死率は10%を超えるとされています。
山口県の患者は、最近海外に行ったことはなかったということで、厚生労働省は国内でダニにかまれて感染したとみて詳しく調べています。
中国と日本のウイルスは、遺伝子レベルでは違いがあるため、ウイルス自体は以前から国内に存在していたものとみています。
厚生労働省は、全国の医療機関に対して、発熱や血小板の減少などの症状が出て死亡した患者については直ちに報告するよう求めました。
ウイルスを媒介するダニは、日本の屋外にも全国的に分布するマダニで、衣類や寝具など家庭内に生息するダニとは種類が異なるということです。
厚生労働省は草むらなどマダニが多く生息する場所では長袖、長ズボンを着用しマダニにかまれないよう注意を呼びかけています。

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