サムスン工場のフッ酸事故、ずさんな管理が明らかに

亀尾での事故からわずか4カ月
サムスン「流出はごく微量、操業停止するほどではなかった」

 フッ酸流出後に工場の操業が続けられたことも問題点として指摘されている。サムスン電子は近くの第11ラインで勤務していた作業員50人に対し「ガス漏れ事故発生地点は生産ライン外部」として避難命令を下さなかったため、生産ラインを正常稼働していた。サムスン電子は生産ライン作業員たちにフッ酸が漏れたことも知らせていなかったことが確認されている。

 サムスン電子側は「事故直後、ほかの化学薬品と反応しないようにするため、フッ酸が漏れた部分をビニールで10時間ほどふさいでいた。流出したフッ酸はごく微量だったので操業を中断するほどではないと判断した」と説明した。

 サムスン電子が修理作業に着手したのはフッ酸流出確認から10時間後だったこともお粗末な対応だったと指摘されている。サムスン電子側は「流出は軽微」と考え、28日から作業をしても可能だと判断したという。午後11時38分に流出量が増えて初めてガスケットの交換に着手した。それまでは漏れたフッ酸が床に落ちないようビニール袋をかぶせておくという応急処置を取っていたと話している。

 サムスン電子は地域住民にもフッ酸が漏れたことを知らせていなかった。サムスン電子華城工場では従業員1万2000人が働いており、近隣には東灘新都市をはじめマンションが密集している。東灘新都市に住むキムさん(50)は「世界の一流企業であるサムスン電子が有害物質を適切に管理できず、死亡事故まで起こすとは…」と言葉を失っていた。

 昨年の亀尾フッ酸流出事故直後、サムスン電子の華城・器興工場にもフッ酸漏れ事故の恐れがあるといわれたが、サムスン電子は当時「外部基準よりも厳しく管理している」と話していた。

カム・ヘリム記者
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