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2013.1.30 10:33

アンカツ引退「納得いく騎乗できなくなった」

中央移籍して2年目の04年、アンカツはキングカメハメハでダービーを制覇。まさに超人の手綱さばきだった

中央移籍して2年目の04年、アンカツはキングカメハメハでダービーを制覇。まさに超人の手綱さばきだった【拡大】

 JRA・GI22勝の“アンカツ”こと安藤勝己騎手(52)=栗東・フリー=が、2月いっぱいで引退することが30日、明らかになった。

 同騎手が、「昨年あたりから体が思うように動かなくなり、納得のできない騎乗が増えてきた。これからも騎乗数を極力絞って乗っていくという選択肢もあったとは思うけど、引退を決断しました」とコメントした。

 近年は体力面などを考慮して騎乗数を限定してきたが、腰痛の悪化と体重増加のため、昨年11月24日の京阪杯(パドトロワ15着)のあとはレースには騎乗せず休養が長引いていた。

 安藤勝騎手は76年に笠松でデビューし、03年3月に中央に移籍。地方出身JRAジョッキーのパイオニアであり、岩田康騎手や内田博騎手も、アンカツなくして今の活躍はなかった。

 先週までキングカメハメハの04年ダービーなどJRA1111勝。一昨年のマルセリーナの桜花賞は最年長クラシック制覇(51歳と13日)で、昨年もパドトロワでサマースプリントシリーズを制するなど第一線で活躍していた。05年に56歳で引退した岡部幸雄元騎手を超えるかもしれない存在として期待されていただけに、残念な引退だ。

 ■キングカメハメハを管理していた松田国英調教師「ここ数年はレース数を絞って、一本釣りという感じで勝っていた姿にプロだなぁと思っていた。引退と聞いて寂しいというより、あ然としている。ダイワスカーレット(有馬記念などGI4勝)とのコンビは忘れられないし、キングカメハメハのダービーは、4角での位置取りと追い出しのタイミングがこれ以上ないほど絶妙だった。今年2歳のキングカメハメハとダイワスカーレットの仔にアンカツさんが乗るのをファンも期待していたと思うので、残念でならない」

 ■安藤勝己(あんどう・かつみ)1960年3月28日生まれ、52歳。愛知県一宮市出身。兄・光彰に続き76年に笠松でデビュー。笠松時代のオグリキャップ、中央に挑戦したライデンリーダーなどの主戦を務めた。03年3月1日に中央に移籍すると、同年3月30日の高松宮記念(ビリーヴ)でいきなりGI初制覇。翌年にはキングカメハメハでダービーを制した。JRA通算は重賞81勝(うちGI22勝)を含み、6593戦1111勝。地方でもアドマイヤドンで交流GI・JBCクラシックを2年連続(03、04年)勝つなど通算1万4259戦3353勝をあげた。

(夕刊フジ)