フィリピンの韓国人向け語学学校、とんでもない現状

寮での暴行、劣悪な施設、不十分な授業内容など問題が続出

 「角材や鉄パイプでむちゃくちゃに殴られ、全身が青あざだらけになった」

 2011年、フィリピンの首都マニラにあるD国際学校に留学し、最近帰国したAさん(17)は「毎日が地獄のようだった」と語った。国際学校の寮を運営していた韓国人の男(37)に暴行を受けたためだ。

 元宣教師だったという運営者の男は、11年から昨年末までの約2年間、韓国人留学生5人に対し常習的に暴行を加えたり、わいせつな行為をしたりしたとして、ソウル南部地検に最近逮捕された。検察によると、この男は妻(26)と共に国際学校の寮を運営し、10代の留学生たちに対し常習的に暴行を加えていたという。物事がうまくいかなかったり、ストレスがたまったりするたび「生徒の管理」や「生活指導」などの名目で暴行を加えた。Aさんも被害者の一人だった。Aさんは「角材や鉄パイプで尻を殴られ、転倒すると足で踏まれ、こぶしで顔を殴られたこともある」と話した。

 これだけではなかった。男は生徒たちが寝ている間、性器を触るなど、わいせつな行為に及んでいたことが分かった。生徒たちは寮費を含め、学校側に毎月150万ウォン(約13万円)を支払っていたが、卒業するためには暴行やわいせつ行為にも耐え続けるしかなかった。一部の生徒は顔面を骨折し、韓国に帰国後、精神科の治療も受けた。

 米国や英国などに比べ地理的に近く、費用も安いため、語学留学先として人気が高いフィリピンに最近、韓国人を対象とする国際学校や語学学校が乱立する中、このような問題が相次いでいる。フィリピンの韓国系学校連合会の推計によると、現地で韓国人を対象とする国際学校や語学学校はおよそ170校あるが、そのうちフィリピン政府の認可を得ていない学校はD国際学校を含め50校を超えるという。このように、現地の政府の管理・監督が不十分なことから、暴行などの問題も発生せざるを得ない状況だ。

イ・ミンソク記者
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