鎌倉文士が愛した老舗閉店　うなぎ「浅羽屋」

　鎌倉文士や映画監督ら多くの文化人に愛された神奈川県鎌倉市の老舗うなぎ店「浅羽屋」が３０日、６３年間の歴史に幕を閉じる。ウナギの卸値高騰や客足減少などが理由。昭和の雰囲気を伝える名物店の閉店に、常連客から惜しむ声が上がっている。

　同店は終戦直後、鎌倉市・下馬で開業。１９５０年には今の場所である、海から鶴岡八幡宮に向かって延びる若宮大路の「二の鳥居」近くに移転。川端康成や小津安二郎らがひいきにしたほか、俳優の笠智衆や芸術家で美食家として知られる北大路魯山人も足しげく通ったという。