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【格闘技】

17歳、前川龍斗 世界獲り3カ年計画

2013年1月30日 紙面から

協栄ジム・新井トレーナー(右)に激励される前川龍斗=東京都品川区のワタナベジムで(竹下陽二撮影)

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 協栄ジムの秘密兵器、前川龍斗(りゅうと、17)がいよいよベールを脱ぐ。プロの年齢制限のないタイで15歳でプロデビューし、4戦4KOの戦績を残してきた前川が、日本ボクシングコミッション(JBC)認可のプロテスト受験が可能となる17歳の誕生日を21日に迎え、30日に受験する。今年は3月末から開催される新人王トーナメントへの参戦をにらむ前川は、プロ7戦での国内最短世界奪取記録を持つ井岡一翔(23)や怪物ルーキー井上尚弥(19)以上の素質の持ち主との呼び声も高い。

 大物感が漂う。17歳とは思えない落ち着きとふてぶてしさ。前川は「今年の目標は新人王。来年は日本王座。10代で世界王者なります」とひょうひょうと今後の目標を口にした。

 札幌市生まれ。4人兄弟の次男。小学2年のとき、1歳上の兄の影響でジムに通い始めた。弟たちも続き、前川4兄弟はキッズ界で知られる存在に。その後、より高いレベルの練習環境を求めて14歳で兄と上京し、協栄ジムの門をたたいた。建設業を営む父・篤さんは「好きなことをやれ」と送り出してくれた。弟たちも合流したが、結局前川だけが残り、古アパートで一人暮らししながら夢を追った。

 JBCルールでは、17歳にならないとプロ資格が取れない。そのため、15歳で年齢制限のないタイでプロデビューした。「バンコクから6時間、車に揺られて着いたのは、原っぱに造られた屋外リング。外国も初めてだし、怖かった。相手は29歳のおっさん。結果は1回KO勝ちでした」

 前川の名前が新聞紙上をにぎわせたのは、昨年3月。当時のWBC世界スーパーフライ級王者スリヤンの公開スパーの相手に指名されたのだが、ここで前川はガチンコスパーを仕掛けて、軽く流すつもりだったスリヤンを本気にさせた。昨秋、WBC世界スーパーフライ級王者で兄貴分の佐藤洋太とのスパーではカウンターの右ストレートでグラリとさせた。ただ者ではない。

 佐藤洋太を育てた名伯楽・新井史朗トレーナーは「素質だけなら、井岡や井上以上。龍斗にないのは、キャリア。場数を踏めば、大化けする」と太鼓判。階級はミニマムかライトフライ。井岡や井上と拳を交える日もくるだろう。前川龍斗、17歳。これから、本当の挑戦が始まる。 (竹下陽二)

 

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