名古屋グランパスに新加入したFW矢野貴章(28)=前新潟=が29日、日本代表として南アフリカワールドカップ(W杯)にそろって出場したFW玉田圭司(32)との共闘を熱望した。矢野にとって玉田は古巣・柏時代にストライカーとしてのイロハを学び取った先輩。「一緒にプレーできるのは心強い」と語った。
矢野が玉田と同じJのチームでプレーするのは8年ぶり。午前、午後と2度にわたって行われた練習で、矢野は古くからの先輩と肩を並べるようにしてランニングした。「一緒にプレーできるのは心強い。頼りにしている部分はありますね」とにこやかに語った。
矢野が柏に入団した03年、エースとしてチームに君臨していたのが玉田だった。「玉さんのスピード、得点感覚はすごいものがあった」。尊敬のまなざしで先輩の背中を見つめていた。
当時の矢野は出場機会に恵まれていなかったが、玉田からよく食事に誘ってもらった。「玉さんは自分にとって大きな存在。学ぶことは多かった」と矢野は言う。
05年までの3年間で先輩から吸収したストライカーのエキスが、06年に移籍した新潟で実を結ぶ。新潟では10年までの5シーズンで30得点。南アフリカW杯ではそろってピッチに立った。
矢野のグランパス入りで久々のコンビが復活。練習では2人とも主力組のFWに入り、パスを交換した。矢野は「自分がいい動きをすれば、玉さんはパスを出してくれるはず」と語る。
矢野にとって玉田はポジションを争う強力なライバルでもあるが、持ち味を生かしてくれる最強パートナーにもなりうる。2人の“柏ホットライン”が、グランパスの新たな得点源になるか。 (木村尚公)
この記事を印刷する