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石油備蓄基地試、運転 新年度末には全面復旧 久慈
 | 試運転が始まった久慈国家石油備蓄基地 |
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東日本大震災で被災した岩手県久慈市の久慈国家石油備蓄基地が今月、試運転を始めた。新たな津波対策を盛り込んだ3カ年の復旧計画が進行中で、新年度末には全面復旧する見通しだ。 同備蓄基地は、1993年に完成。海抜20メートルの花こう岩質の地層を掘ってできた空洞をほぼそのまま活用した「岩盤タンク」で、国の備蓄量の約3%に当たる原油167万キロリットルを貯蔵している。 震災で基地には高さ約8メートルの津波が到達し、タンクなど地下施設を除き、ほぼ全壊した。管理棟は津波に備えて海抜6.5メートルに土地をかさ上げしていたため残ったが、1階は浸水した。 タンクも電力会社からの電力供給が途絶えた上、自家発電設備が壊れたため、底にたまった地下水を排出する設備などが停止。タンク内の圧力が高まり、一時原油が流出する危険もあったが、民間のリース会社から自家発電機を調達し難を逃れたという。 基地は11年6月、3カ年計画で復旧工事に着手、管理棟や排水処理施設などの補修が終わり、今月からの試運転にこぎ着けた。 新年度は原油を運ぶタンカーの係留設備を整備し、基地近くの高台に自家発電施設などを移設する。 国家石油備蓄基地は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が国の委託を受け運営している。1973年の第1次石油危機後、輸入に頼っている石油の不足に備え、整備が進んだ。現在は全国10カ所で、原油計約5000万キロリットルを保管する。
2013年01月30日水曜日
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