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18時台の特集/バックナンバー
目次 › 2013年1月14日放送の18時台の特集/バックナンバー
女性公務員の漫才コンビ! あきらめませんウケるまで  
ある女性漫才コンビ、2人の本業はなんと公務員です。
コンビ結成から4年、ツッコミ担当の女性は結婚しもうすぐ母親になりますが、漫才を続けたいという思いを初めて夫と両親に打ち明けます。


壁に向かって話す人がいます。
彼女たちは漫才師、ネタ合わせの真っ最中です。

【福田さん】「どーもー。大阪市職員の福田です」
【藤さん】「大阪府職員の藤です」
【2人】「安定志向です!」

漫才コンビ「安定志向」、2人とも本業は公務員です。
お呼びが掛かればどこへでも笑いを届けに向かいます。

【福田さん】「ああ、おるわ電車でマナー守らん奴。公共のマナー守らん奴な!」
【藤さん】「すみません、この人真面目すぎて」
【福田さん】「真面目で何があかんの?七・三分けで合コン行って何が悪いんですか?」
【藤さん】「ちょっと落ち着こうか」
【福田さん】「公共マナー守らん奴は死ねばいい!」
【藤さん】「コラー!」

 

ボケ担当の福田恵さん。
彼女は大阪市経済局に勤めています。

【福田さん】
「中小企業の資金繰りを応援するっていう仕事をやってるんですけど。中小企業向けの制度融資っていうのをやってるんですよ。大阪市の定める条件で金融機関が融資を・・・」

お堅い仕事なのは間違いないようです。

そしてツッコミ担当は・・・

【藤さん】
「田子の浦に〜うち出でてみれば白妙の〜 富士の高嶺に〜雪は降りつつ〜」

 

芸名・藤京子さん(本名・日高京子さん)は中学校の先生です。

大阪府教育委員会採用の教諭、つまり大阪府の公務員です。
「安定志向」は一足先に大阪の府市統合を果たした公務員コンビなのです。

こんなところにも出没します。

【福田さん】「私初めて見たもん、人様の結婚式にウエディングドレスで来る人なんて」
【藤さん】「ごめん」
【福田さん】「私の将来の夢、結婚式で花婿を奪うこと!」
【藤さん】「私の卒業文集と同じ夢・・・」
【福田さん】「先輩!手伝って!私が夢叶えるの!」
【藤さん】「手伝うわ!福田さんの夢!」
【福田さん】「(新郎に手を差し伸べて)選んで!」
【2人】「お願いしま〜す」 

新郎新婦の愛を確かめるサービスも大好評。
公務員なのでもちろんノーギャラです。

【安定志向に祝ってもらった新婦】
「ドキドキしたし、何が起こるか分からない感じがハプニングっぽくて良かったです」

2人はもともと同じ劇団に所属する「女優」でもあります。
でもどうして漫才の道に?

【藤さん】「劇団でも演劇をやっていたんですけど、新しいことにも色々チャレンジしてみたいなって思っていたときに、福田さんから『何か面白いことやれへんか』って言われて、じゃあ具体的に?となったら、『漫才』って言われて・・・」

教師、漫才師、そして舞台女優。
そんな藤さんの3足のわらじが、もう1足増える出来事が。
藤さんは去年、元同僚の先生と結婚しました。
さらに・・・

 

【産科医】
「少し今、逆子になってますけど、これも週数的には特に問題ありませんので」

おなかには新しい命が。
「妻」と「母親」が加わって、漫才や演劇を続けるには1人5役をこなさなければなりません。

【藤さん】
「同じようなペースではできないだろうなとは思うんですけど、自分の工夫ひとつかなと思う部分もあるので。ちょっと彼には協力してもらわないといけない部分も多々あるとは思うんですけど、相談しながらやれたら幸せやなと思ってます」

藤さんは夫にもその両親にも漫才を見せたことがありません。
これから開く結婚披露宴で、花嫁であるにも関わらず漫才をすることを決断。
1人5役への理解を求めようというのです。

 

【藤さん】「今後もやりたいっていう話はまだしていないです」
【福田さん】「えっだんなさんは?だんなさんはどう思ってるの?」
【藤さん】「彼は今後もいろいろ条件が許せばやっていったらいいんじゃないの、って言ってる」
【福田さん】「親はやめると思ってる?そんな話すらしてない?」
【藤さん】「親御さんには、そんなやめるとかやるとかいう話は一切したことがないから分からない」

果たして、そんな嫁の願いを聞き入れてくれるのでしょうか。

2学期が終わるのを待っていた藤さん。
クリスマスイブの結婚式になりました。

【藤さん】
「きのうから緊張してるんですけど、応援してもらえるようにがんばりたいと思います。でも、いいネタになりました」

台本を作り始めたのは式の2日前、完成したのは前日でした。

 


たくさんの友人や教え子たちがお祝いに駆けつけてくれました。
待ちに待った結婚式。
でも、もしきょうのネタがうまくいかなかったら・・・
「引退」の2文字がちらつきます。

当日のネタ合わせは、お色直しのわずかな間に行います。

 

【藤さんの夫・日高純一さん】
「生で見るのは初めてです。本人が楽しんでやっていれば周りも楽しいかなと思うんで、楽しんでやってほしいです」

運命の時間が、刻一刻と迫ります。

【藤さん】「結婚するにあたって、純一さんに1つ伝えたいことがあります。私、ツッコミを卒業します!」
【福田さん】「ちょっと待った〜!」
【藤さん】「福田さん!?」
【福田さん】「私はまだ納得してません。藤さん、漫才やろうや。藤さんのツッコミがなかったら、私なんかもうただの前田敦子になってしまう。誰があっちゃんや。もうやめてやめて。誰が不動のセンターや」
【藤さん】「どごがっ・・・」
【福田さん】「お願い!私にツッコんで!」
【藤さん】「私もうツッコミは・・・」
【友人男性】「はい、じゃあ僕やります!」
【福田さん】「ほんまに!? 行きますよ。誰が不動のセンターや・・・」
【友人男性】「えっ、てってってっ どこがやえ〜〜ん・・・」
【福田さん】「アカン!下手くそ!交代!」
【友人女性】「じゃ、私やります」
【福田さん】「もう誰があっちゃんや〜」
【友人女性】「かわい〜〜っ!」
【福田さん】「そういうの一番腹立つねん・・・行くで、誰が前田敦子や」
【藤さん】「ど、ど、ど・・・、純くんごめん!どこがやね〜ん!」
【福田さん】「それやん、それやん、ようやく乗ってきてくれたやん!それでこそや、待ちわびたで〜。安定志向再開や!」
【藤さん】「待って、実は心配なことがあんねん。純一さん、私の漫才まだ見たことないねん。宮崎から出てきてくださった日高家の皆さんもまだやねん。私、純一さんが漫才を見て引いてしまうか不安やねん」
【福田さん】「それは、どげんかせんといかん」
【藤さん】「宮崎をどげんかするために漫才してもらってもいいかな?」
【福田さん】「やりましょう」
【藤さん】「ど〜も〜大阪府職員の藤です」
【福田さん】「前田敦子で〜す」
【藤さん】「どこがやねん!」
【2人】「ヒュ〜!」

 

果たして、夫と両親はどんな反応を示すのでしょうか。

【藤さんの夫・日高純一さん】
「僕がドキドキして、でも途中から面白くなってきて自然と笑えたので、これからも応援します」
【藤さんの義母・日高悦子さん】
「元気な奥様ですから大丈夫だと思います。子育てが大変だと思うんですけど、息子も子どもが好きだと思うので2人で一緒に頑張ると思うので、いいと思います」

【義父・廣さん】「いいコンビ。また頑張ってください」
【福田さん】「本当ですか!うれしいです。ありがとうございます」
【藤さん】「恵ちゃんほんまにありがとう・・・」

 

【藤さん】
「漫才の練習の時間を確保して、それ以外のことをテキパキやって、ずっと応援してもらえるような頑張り方をしたいと思います」

「安定志向」は今年の秋まで出産休暇をとります。
でもその後は夫婦や子育ての新ネタをひっさげて、新たなステージに立ってくれそうです。



2013年1月14日放送
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