生まれてから、すでにイロンナ経験をしている麻鈴ちゃんですが、ある日チョッと遠出をしました。その時住んでいたのは北九州でしたがカレが学生時代を過ごした熊本までドライブしたんです。車で2時間くらいです。この時が麻鈴ちゃんを連れてお外に出かける初めての経験でした。お外なんだから、普通におトイレするわ〜なんて気楽に構えていたら麻鈴ちゃん、ズッとおしっこを我慢しています。芝生の上において「していいんだよ〜」と言っても断固として拒否!なんです。で、あわててペットショップを探してペットシーツを買い、その上に乗せると、山盛りのおしっこをしました。いつもペットシーツの上でおしっこをするようにしていたら、お外だからしても良いのだとは理解できないんですね〜ホントに焦りました。おしっこしたいのは見ていてわかるのに、断固としてしないんですから…
それから又少しして、大事件が起きました。これは彼女の今後の人生を変えるほどの出来事でした。

 

カレの実家に帰ったときのことです。初夏だったと思います。実はワタシはカレの実家が苦手でそれを良く理解していてくれたカレは長居しなくてもいいようにしてくれていました。距離的には結構あったので、夕食が終わった後くらいに着く様に彼の実家に行き、翌朝には出ると言うものでした。麻鈴ちゃんも連れて帰りました。無事朝を迎えました。彼の実家はチョッと変わった造りをしていて、玄関が2階にあり1階にリビングや洗面所があります。そして何より凄いのはその2階の玄関にでっかいシェパードがいるんですよ〜麻鈴ちゃんはそんな大きなワンコを見るのも初めて…
 
 
ところが車で走り始めて1時間もすると麻鈴ちゃんの意識が戻ってきたのです。「麻鈴ちゃん、お願いしてごらん」と言うとお手手をお顔の前できれいに合わせて「お願い」のポーズをするではないですか!!!これは教えてもないのに麻鈴ちゃんができる唯一の芸でした。「コレができるんなら少し安心!」とワタシも少し正気に戻って来ました。カレはいつもだと頑張っても3時間は十分にかかる道のりを2時間で帰ってました。結局このときの後遺症で「テンカン症」になって一生苦労することになったのですが、このときは一命を取り留めたと言うことしかわかりませんでした。この後、テンカンの発作が起きるようになったのですが、病院でもなんでかわからず、ワタシタチもわからず、この後数年を過ごすようになります。このとき、ワタシが決心したのはカレの実家には2度と戻らないと言うこと…その後、15年位経ってますが1回だけ2時間限定で帰っただけとなっています。
 
 
朝を迎えてワタシが顔を洗いに1階に降りたときのことです。「麻鈴ちゃんのことお願いね」と下におりました。お泊りしたお部屋も2階でしたから。ところがカレが麻鈴ちゃんを置いて1階におりようとしたとき、悲劇は起きました。こんな見知らぬところに置き去りにされてビビッた麻鈴ちゃん、後を追って階段のところまでくると玄関が階段のスグ横…でっかい見たこともない生き物が…マンションぐらいの麻鈴ちゃんは階段も知りません。焦ってカレのことを追いかけて階段と知らず足を踏み出した麻鈴ちゃん…ムササビのように手足をいっぱいに広げて階段を飛び、降りかけていたカレのことを飛び越えてカレの目の前で回転しながら階段落ちしてしまいました。ギャウン!!麻鈴ちゃんは泡を吹いて意識不明となってしまいました…
 
「麻鈴が階段から落ちたぁ〜!!」とカレが叫び、ワタシは顔を拭きながら慌てて階段の下まで行きました。麻鈴ちゃんは白目をむき口から泡を吹き、呼びかけても意識がありません。ワタシは泣き叫びながら「病院!!」と叫びました。カレが近くの動物病院を義母と共に調べて電話をしました。その答えにガクゼンです…幾ら田舎とは言え「牛・馬しか見たことがないから犬のことはわからない」と言う返事なんです。ほぼ半狂乱になったワタシは泣き叫び、義母はオロオロするばかり。カレは西間動物病院に電話を入れ状況を説明してお昼でおしまいの病院に今から車を飛ばしても間に合わないので待機していただけるようにお願いして、すっぴん状態で泣き叫んでるワタシと意識不明の麻鈴ちゃんを乗せてエンジン全開アクセル、フルスロットルで出発しました。ワタシもカレもこのとき、麻鈴ちゃんはもう死んだと思いました。
 


 
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