賢介、通訳ＮＯ！家庭教師付ける契約でジ軍へ

ジャイアンツとマイナー契約を交わした田中賢介は、地球儀の米国を指す

　日本ハムからＦＡ宣言し、ジャイアンツとマイナー契約を結んだ田中賢介内野手（３１）が２８日、札幌市内の球団事務所で移籍報告会見を行った。通訳ではなく家庭教師を付ける契約を手に、“自力”で世界一の舞台へはい上がることを誓った。

　田中の悲壮な覚悟は、その契約内容の中に見えた。「今回こだわったのは通訳を付けずに行くところです」。通常は野球に集中できる環境を整えるため、通訳付帯を条件にするが、田中はそれを望まなかった。代わりに出した条件は「家庭教師」だった。「通訳を付けると英語も上達しないと思うし、チームメートからも認めてもらえない」。チームに溶けこむためにも、自身の語学力を上げることが必要と考えた。

　厳しい条件は覚悟の上だ。通常はマイナー契約には保証金額がない中、最低保証４万ドル（約３６０万円）は手にした。メジャーに昇格すれば年俸は７５万ドル（約６８００万円）という契約。日本ハムに所属した１年目は推定８００万円で、昨季の２億７０００万円プラス出来高という年俸から見れば、大幅ダウンになる。　他球団からは、より良い内容の提示もあった。それでも小技を絡めた緻密なジ軍の野球が「自分のスタイルとマッチする」。メジャーで活躍できる近道だと信じた。昇格へ「どこでもやる」と外野手用グラブも持ち込む。

　夢は元日本ハムの同僚ダルビッシュ、建山擁するレンジャーズとの世界一決戦だ。１０年に建山と共にメジャー初観戦したのが、ジ軍本拠のＡＴ＆Ｔパークで行われたレ軍とのワールドシリーズ。「今度はその場所に立てれば、こんなに幸せなことはない」。２月１６日（日本時間１７日）から全体練習が始まるメジャーキャンプに招待選手として参加し、体と脳のフル回転でメジャー昇格を目指す。