今季最初の全体練習を前に選手に語りかけるストイコビッチ監督(左)=トヨタスポーツセンターで(宮崎厚志撮影)
|
 |
名古屋グランパスは28日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで1カ月ぶりに全体練習を再開。新シーズンのスタートを切った。ドラガン・ストイコビッチ監督(47)は故障者が続出した昨季の反省から、「例年以上にハードなトレーニングをやっていく」と明言。6年目を迎える指揮官が“鬼”と化してタイトルを奪いにいく。
ピクシー丸の新たな船出は、ほとんどボールを使わない地味な練習に終始した。インターバルを入れながらのランニングを約80分。ストイコビッチ監督は「きょうは8キロ走った。初日にしてはよくやった」とニヤリ。2013年タイトル奪回へ、これが最初の第一手だった。
7位にとどまった昨季、最大の誤算がケネディ、玉田ら主力に故障者が相次いだことだった。ピクシーは練習前のミーティングであらためてJリーグ制覇を目標に据えた。
「そのためにはシーズン最後まで健康を維持し、ケガなく過ごすことが大切だ」と訓示した。頭の中には、故障者さえ出なければ十分に優勝を狙えるという計算がある。
始動日にはパスポートの都合で来日が遅れている闘莉王を除く28選手が集合。深刻な故障者はなく、ストイコビッチ監督は「選手はいい表情で練習していた。闘莉王? 私がパスポートを発行したいくらいだよ」と上機嫌だった。
「キャンプでは技術、戦術を鍛えるメニューを考えている。例年以上にハードなトレーニングをやっていく。けが人を出さないためには体作りが大切だ」。2月4日からのタイ・キャンプで練習量を増やし、完成度アップとケガなく戦い抜くコンディション作りを目指すと宣言した。
猛練習を課すというピクシーの予告を、選手側は発奮材料として受け止めた。田中隼は「結果が出ていないんだから、ハードに練習して当然」と語った。激しくタクトを振るう指揮官の思いが、チームを一つにする。
この記事を印刷する