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2012年卯月
124・会★話★進★行
「おはよう、我が弟よ」
「ん、あれ?姉ちゃん、なんで俺の部屋に?」
「自分のところに戻るのが億劫でな、いつもの様にこうして寝た訳だ」
「ふざけんな!さっさと出てってくれ!酒臭いんだよ!」
「昨夜はあんまり飲んでないぞ。ほれ、この通り頭も痛くない」
「指差されてもこっちには良く分かんないけど」
「人の痛みを分かる人間になりなさい。我が弟よ」
「どの口が言えるんだ?そこの進藤紅音。おい、5人姉弟の長女、そこのお前だ」
「何だと?誰に向かって口をきいているのだ。貴様も随分と生意気になってしまったな。
 昔は可愛かったなぁ。いっつも私にくっついてきて、お風呂も一緒でね。お姉ちゃんのおしりーって、ぴしぴし叩いてたのよ。覚えてるでしょう?」
「はいそこ、記憶を捏造してはいけませんよ。そんな証拠はどこにもありません。
 お前の言っている事、やっている事は全てお見通しだ!この詐欺師め!」
「はっはっはっ、言いがかりだなそれは。その時の痣は残っているのだよ、我が弟よ。
 ・・・ふっふっふっ、なんなら見せてあげてもいいけど?見たいでしょ、お姉様の魅力的で危うい雰囲気のあるお尻を」
「顔を近付けるな。鬱陶しいわ、あっちに行けと言っている。出ていかないと実力行使に出るぞ。脅しではない」
「ふっ、ふふっ、はっはっはっはっはっ。はあっはっはっはっはっ!心にもない事を口にするんじゃない、我が弟よ」
「耳元で笑うな。せめて声量を絞ってくれ、ただでさえ声でかいのに。もういいからせめてベッドから出ろよ」
「いいよ、はい出た。これで満足?」
「足の爪先で床に触れるのが出た事になるの?そこの阿呆なお姉様。露出狂の二日酔い。
 本当にみっともない、惨めな格好だよなそれ。二十歳とっくに越えてる奴がだよ、なあ。弟の部屋になんでそういう姿で来るの。教えてくれないか」
「もう1回同じ台詞を間違えずに言えたら教える」
「本当にみっともな・・・」
「そこからじゃない、最初から。足の爪先から」
「足の爪先で床に触れるのが出た事になんのか?そこのバカなお姉様。露出狂のブサイク。
 本当にみっともない、惨めな格好だよなそれ。二十歳とっくに越えてる奴がだよ、なあ。弟の部屋になんでそういう姿で来るの。相手してほしいの?」
「はい、ダメ。半分くらいしか合ってない。教えません」
「だあーーっもうっ絡むな!俺にっ絡むなっ!今っすぐっここから出ていきなさい!」
「出勤までもう少し時間があるからだらだらさせて。お願いたっくん、お姉様に免じて」
「ああ吐き気してきた。やめてくれ腰をくねらせるの。うっぷ、吐いていい?」
「ところでさー、なんか今日せわしなく感じないか?」
「なんで?」
「だってさっきから間もなく話し続けてるから、ちょっと疲れてきたぞ」
「なんだよもう疲れたのか。たまにはこんなのも悪くないと思うんだけど、私は」
「書く方はそうかもしんないな。声を出し続ける方は楽じゃないんだぞ、まったく」
「お前は愚痴ばっかだな。主役なんだからしゃきっとしろ、ゴボウサラダの様に」
「自分は殆どやらないから大変なの知らないだろ」
「1回だけやったよ。たぶん読んでる人はとっくに忘れてるだろうけど」
「はいはい、分かりました。お前の愚痴など聞くつもりは一切ございません」
「はあー会社行きたくねー。さぼりてー」
「こら、寝るな!せめて自分の部屋で寝ろって!」
「なんで?ここで寝たらいけないなんて理由はどこにあるの。納得できる様に説明してごらん」
「早く行きなさい、紅音」
「ひゃあああぁああ?!は、は、はい!今すぐ!」
「あっ、姉ちゃん。もう行っちゃった。母さんおはよう」
「久々ね、巽」
「・・・う、うん。久々ではあるね、違う意味で」
「おやすみだからってあんまり寝てばかりじゃダメよ。早起きできる癖はつけておきなさい」
「分かってるって。じゃ、また後でね」
「相変わらずオチがないわね。いつもの事だけど」
「笑顔でさらりと毒づくうちの母さん・・・」

〜続く〜


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