橋下氏、新党も「維新存続こだわらない」

記者団の質問に答える橋下徹大阪市長

　日本維新の会共同代表に就任する橋下徹大阪市長（４３）は２８日、日本維新の会の存続について「全然こだわらない」と述べ、みんなの党と合流できるなら、日本維新の看板を捨て、今夏の参院選へ向け新党立ち上げも視野に行動する覚悟を明らかにした。一方、みんなの党の渡辺喜美代表（６０）は、「国民をだますのはやめた方がいい。猛省を促す」と橋下氏の提案を一蹴。両党の合流問題をめぐり、トップの激しい応酬となってきた。

　みんなの党との合流に執念を燃やす橋下氏が、大幅譲歩を示唆した。報道陣に「全然こだわらないです」と、維新の“看板”を外してもいいとの考えを示しながら「渡辺代表が僕のことをどうしても気にくわないなら、僕は引いても全然構わないわけですから」と訴えかけた。自身が中心となって結成した「日本維新の会」の名称が消滅することになっても、みんなとの合流を実現させるという決意をアピールした。

　一方の渡辺氏はこの日、参院選前の維新との合流に関し「選挙間際に新党をつくり、国民をだますのはもうやめた方がいい」と橋下氏の提案を突っぱねた。２７日の党大会でも参院選での両党の選挙協力は認めた上で合流については完全に否定しており、この日、重ねて否定した格好だ。

　また橋下氏がこの日、「渡辺代表にも、もう少し大人の政治家になってもらいたいと思いますね」と発言したことも、渡辺氏の怒りを増幅させた。「言葉をそのまま返す。橋下氏も大人の政治家になってほしい」と反論し、「相談にあずかった覚えはない。（橋下氏が）勝手に話しており、猛省を促す」と強調。同時に「『大人になる』とは、すみ分けをすることに尽きる」と指摘。選挙区候補の競合回避を目指す考えを表明した。

　夏の参院選に向けて、政権与党の自・公に対抗する勢力を結集するべきというのが橋下氏の持論。比例代表で当選した議員の政党間異動は基本的に禁止されており、新党を作らない限りみんなとの合併は成り立たないとの認識を示した上で「政界再編になれば元々やりたかった一つの目的は達する。渡辺代表にも、国のことを思って、国会議員の中で１つの大きな勢力を作ってもらいたい」と語った。

　橋下氏は「考えの合う人たちで一つの政党を作ったらいい」としており、民主党の一部も含めた新党結成を目指すべきとの認識。国政に進出したばかりの維新を捨ててでも、与党に対抗する大きな勢力を作ろうとする橋下氏の意向だが、渡辺氏は改めて不快感を表明。民主党の海江田万里代表も「民主党はまとまる。どういう人を指しているか分からない」と不快感を示すなど前途は厳しい。

（2013年1月29日06時05分スポーツ報知）