マックに強盗　無言でスマホ提示「お金全部出して」

　埼玉県ふじみ野市鶴ケ岡の「マクドナルド２５４亀久保店」で２８日午前１時４０分ごろ、客を装った男がレジカウンターで女性アルバイト店員（３３）らに刃物のようなものを示し、現金１１万４０００円を奪って逃走した。

　東入間署によると、男は現金を要求する文章を表示したスマートフォン（多機能携帯電話）の画面を無言で店員に提示。メール作成やメモ入力など、どの機能を使って打ち込んだかは不明だが、画面に「強盗です。レジの中のお金全部出して」と表示されていた。

　男は黒のジャンパーとズボン、ニット帽にマスク姿。刃物はジャンパーの内側にしのばせていたという。

　ジェスチャーでレジの売上金を紙袋に詰めるよう指示し、女性店員に代わって男性店員が現金を紙袋に詰め込んだ。男はこの間、一言だけ「早くしてください」と発したという。スマホの文章といい、強盗にしてはやけに言葉遣いが丁寧だが、捜査関係者は「それが逆に恐怖心をあおったのかもしれない」と話している。

　男は紙袋を奪うと走って逃走。男性店長が追い掛けたが、見失った。２０代とみられ、身長は約１メートル７０。

　店は２４時間営業で当時、店員５人と客４人がいた。いずれもケガはなかった。東入間署は強盗事件として調べている。

　昨年１０月、埼玉県川口市内のマクドナルド店舗で強盗事件が発生。これを受け、埼玉県警と日本マクドナルドが、さいたま市の２４時間営業の店舗で、通報手段など初動対応を確認する防犯訓練を共同で行っていた。

　≪今年中に利用者５０％超えも≫スマホは０７年に米アップルが発売した「ｉＰｈｏｎｅ」が日本国内でも大ヒットし、急激に普及。昨年秋の調査では、国内の携帯電話利用者のうち、スマホの普及率は個人で３９．８％。今年中には５０％を超えると予想される。国内ではグーグル系のＯＳ「アンドロイド」搭載端末が約６０％、アップルのｉＰｈｏｎｅが約３０％。