【重信メイさま】
お便り、ありがとうございます。公開のご指摘なので、ここでも私の思いを紹介させていただくことにしますね。
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... 私が小さなウソ(実際にはあなたが一番ご存知のようにウソではありませんよね)をついたと大声で言っておられますけれども、あなたがゴーストライターに書いてもらった処女作『秘密』を読めば、あなたの人生はウソで塗り固められていたことが、これでもかこれでもかというほど出てきます。テロリストの母がリーダーとして、また戸籍上の父を含むテロリスト日本赤軍が、罪もない大勢の人々をテルアビブで銃殺したとき、あなたはまだ生まれていませんでした。が、2013年の本日現在に至っても、テロリストを支援し、しかもあのテロによる大量虐殺は正当な戦争の一環だったと主張することを続ける限り、40歳にもなったあなたにも責任は生じてくるでしょう。そのような立場はテロリスト支援者のものであって、ジャーナリストのものではありません。それは私の奇異な主張ではなく、ごく普通のコモンセンスです。
「平気でウソ」という点では、私があなたを待たせたことは一度もありません。逆に例えば、初日(1月16日)の16時半に、という約束を、カラオケ大会のチラシをつくる大切なw打ち合わせが9時間もかかったためw、私がいきなり6時間以上も待たされたのを始め、その後も幼稚園児かと思えるほどの稚拙なわがままの繰り返しだったではありますまいか。
ただし、あなたはジャーナリズムの世界でヨチヨチ歩きであるのは事実ですし、私の友人があなたをゲストに呼ぶことを望み、私も承知した以上、あらゆることを我慢し、日本を始め多くの国々での常識破りであっても、我慢しました。
究極的には、あなたはレバノンしか知らないにもかかわらず、国際問題(!)やら中東問題(!)やらの専門家や研究者を、またヨチヨチ歩きにも関わらずジャーナリストを名乗っておられます。私はあなたの書いたものを可能な限りすべて読んだ上で、直接「メイさんはヨルダンしか知らないし、どの現場にも行かないで書いていますね。それはジャーナリストとは言えないのではありませんか」と言ったとき、あなたは「私は研究者でもありジャーナリストでもある。情報収集ルートももっている。だから(!)現場や他国になど行く必要はない」と断固たる口調で私におっしゃいましたよね。
それはあなたによって最大の弱点であり、「秘密」だったのだろうと思います。別の本の中で何度も「現場に行かない日本のジャーナリズム」をバッシングしているわけですから。
しかし、そのようなことは脇に措いても、ガザなどパレスチナ自治区にはテルアビブ側からは「行けない」と断言なさいましたが、そんなシンプルなことも事実ではありませんでした。やはり机上のお勉強だけでは、妄想やイデオロギーが膨らむばかりでしょう。
あなたが住むベイルート郊外の、シリア人難民キャンプに行くことすらあはたは「無理だ」と言い張り、私は世界各地で多くの難民キャンプを見て来たことを告げるとようやく前夜10時までに連絡すると言ったまま、結局連絡をいただけなかったので、翌朝、私がドライバーつきのレンタカーで行ったのは、あなたもあなたのご友人たちも、よくご存知の通りです。
申し添えるまでもなく、私はFBでいきなりこのようなことを言い出したのではなく、直接何度も申し上げましたけれども、あなたは全く聞く耳を持ちませんでしたね。でも「31日に出発する」と言っておられたので、あらかじめ渡航費などを多めにお渡ししました。あなたはFB上でなぜか「(世界のボランティアに向かって?)謝罪しない限り行きたくなくなった」旨とともに、「25日の出発までに」という、「ありえないこと」を前提にした無理難題を投げかけ、レバノン政府と日本政府の税金で生きてこられたあなたは、高額(笑)納税者である私のポケットマネーで来日されながら約束の会では「テロリストへの誤解を解きたい」――要するにプロパガンダだけはしてほしくない、と私は、あなたのためにもそう望みました。
しかし、あなたの「日本人テロリストの子」として生まれた体験、そしてその後の見聞は充分に高い価値のあることであり、テロ翼賛のプロパガンダや机上の妄想以外は、多くの人々に直接聞いてもらいたいという友人の願いに私も賛成したがゆえ、15日間もかけて礼を尽くしつつ中東を改めて回り、2月2日の公開対談を実りあるものにする気持ちも無論あったその初心に、いささかの揺るぎもありません。
「現場取材をしたことがないジャーナリスト」のあなたに、恥をかかせる会などでは断じてありませんので、ドタキャンをしたいお気持ちは察しますけれども、講演などのイベントのドタキャンは多くの人に迷惑ーーこの程度の日本語は理解していただけますでしょうかーーをかけてしまします。
あとは、会場にてあなたをお待ちするしかありません。が、私たちは”危機管理”も怠らないつもりです。参加者の皆様は、その点あらかじめ充分なご案内を差し上げますので、どうかご安心ください。
重信メイ様。あなたがわがままと傲慢さを少しでも和らげ、ともかく誠実に、ご自分で見て来たことを中心として、推測は推測と断ったうえでのお話を、相手が意のままには必ずしもならない人物であるという子供のような理由で難癖をつけて、とんずらなさるのは避けたほうがよろしいかと存じます。
では、2月2日に――。
日垣 隆See More