アルジェリアの天然ガス施設がイスラム武装勢力に襲われ、プラント建設大手「日揮」の日本人駐在員が巻き込まれた事件で、最後まで安否が不明だった1人の死亡が確認され、日本人犠牲者は計10人となった。亡くなった人質の死亡時の詳細は不明のまま。遺族が最も知りたい「愛する人の最期の瞬間の真実」は、遺体の司法解剖や事情聴取などで、解明することができるのだろうか。
アルジェリア政府によると人質事件で外国人の死者は37人に上り、武装グループ側も死者29人、3人が拘束された。セラル首相は「人質は武装グループに頭を撃たれ、殺害された」と発表したが、疑念は残る。武装グループに人質が殺害される瞬間の目撃情報がある一方で、アルジェリア軍は人質を乗せた武装グループの車をヘリで爆撃している。突入の混乱で犯人もろとも人質が銃撃や爆撃を受け、殺害された可能性も指摘されている。
警察庁は帰国した遺体を検視し、司法解剖等を行う方針を示しているが、それで“死の真相”がどれだけ判明するのか。「死体は語る」の著者で元東京都監察医務院長の上野正彦氏は「遺体の損壊状況にもよるが、司法解剖では、銃で殺されたのか爆撃で殺されたかの死因や、どのような状況で銃撃を受けたかが分かる」と指摘。銃殺後に爆撃を受けていたなどの判別がつくという。
銃撃痕からは、撃たれた距離や角度などが分かる。「体に残る火薬や弾が通過した際のヤケドの跡から、至近距離か、離れた場所から撃たれたかの見当がつく。また弾が体に入った時と出ていった時の角度等を調べれば、立っていたのか、くの字になっていたのか、伏せていたのかなど、どのような姿勢だったかも分かる」(上野氏)
銃撃事件では、残された弾から銃の種類が判別され、誰が射撃したかが判明するケースがあるが、今回は仮に体内から弾が発見されたとして、政府軍、武装勢力どちらからの銃撃だったか判別できるのだろうか。軍事評論家の神浦元彰氏は「アルジェリア軍と武装グループの自動小銃はともにロシア製のAK―47。拳銃もロシア製のマカロフで弾からの判別は難しい」と指摘する。
一方で神浦氏は銃撃された箇所が注目点と指摘する。
「ゲリラ側が人質を殺害する場合は頭や胸に1~2発撃ち込むのが常とう手段です。逆に下腹部や足、腕などを撃たれているのならアルジェリア軍が突入した時の流れ弾かもしれない」
ただ、遺体のほとんどは頭部を撃たれているとみられ、軍が武装グループに責任を押し付けるために後付けで“偽装工作”することもできる。
日本政府はアルジェリア政府に対し、人質が死亡した際の詳細状況の情報提供を求め、警察当局も生存した日揮駐在員や関係者からの事情聴取で、全容解明を図りたい考えだが、これも形式的に終わるかもしれない。
「アルジェリア軍が人質を撃ち、殺害してしまったという可能性は高いが、証明する証拠がないのです」(神浦氏)
プラント内を隠し撮りした映像も出始めているが、突入時の場面が収められたものはまだ出ていない。真相はヤブの中となってしまうのか。遺体と対面する遺族にとって、さらなる過酷な運命が待ち受けている。
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