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東電TV会議“汚染水出てきたのは意外”
1月23日 22時9分

東京電力福島第一原子力発電所の事故の対応の様子を記録したテレビ会議の映像が新たにおよそ2週間分公開され、おととし3月24日に、3人の作業員が大量に被ばくした際、当時の吉田所長が「こんな高い線量の汚染水が出てきたというのはかなり意外だった」と述べるなど、当時、現場では汚染水による危険性を十分に予想していなかったことが分かりました。

23日に新たに公開されたのは、おととし3月23日から1週間と、4月6日から6日間のおよそ312時間分のテレビ会議の映像で、報道関係者に閲覧の形で公開されました。
この中には、3月24日昼すぎに、3号機のタービン建屋の地下でケーブルを設置しようとした作業員3人が水たまりに足をつけるなどして、およそ170ミリシーベルトの大量被ばくをしたときの対応などが記録されています。
映像では、当時の吉田所長が「高い線量の汚染水の可能性については、われわれもかなり意外だったところがある。作業環境の変化の可能性について注意喚起していたが、汚染水のところまで十分手が回っていなかった」と発言するなど、当時、現場では汚染水による被ばくの危険性を十分に予想していなかったことが分かりました。
このほか、3月23日午後9時ごろに、5号機の原子炉を冷やすための重要なポンプが3時間以上も前に止まっていたことが報告された際には、吉田所長が「ポンプの停止は非常に大きな話なのに、1号機から4号機にとらわれて情報が共有できていないのは非常に大きな問題だ」と呼びかけていて、事故から10日以上たっても必要な情報が共有されていなかった状況が見て取れます。
テレビ会議の映像の公開について、東京電力は、今のところ事故から1か月分とする方針を示していて、それ以降の期間については、「今後、相談しながら検討したい」としています。

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