AKB48を国民的アイドルに育てあげたプロデューサーの秋元康氏(54)が“AKBを卒業する日”をジャーナリストの田原総一朗氏(78)に告白していたことが分かった。28日発売の対談本『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 秋元康×田原総一朗』(アスコム刊)の中で明かしている。
「齢78にしてAKBにハマり続けている」という田原氏は同著で、「秋元さんは生涯AKBですか?」と、核心をついた問いかけをしている。
それに対し秋元氏は「いやいや。やっぱりAKB48のサプライズでいちばん驚くのは『秋元康、今日をもってAKBを卒業します!」かなと(笑)。ほんと、僕は卒業すると思いますよ」と語っている。
さらに秋元氏が続ける。
「僕はAKB48の創業者か初代校長かもしれないけど、たぶんある程度の形ができたところで僕が交代して、『秋元はスパルタでやったけど、今度のAKBはこう変えたいんだ』という人が出てこないと、逆に続かないと思いますね。これはAKBの宿命です。AKBを守ろうとすれば、それはAKBの進化を止めることでしょう。そのときAKB48は終わるんです」
その日がいつ来るかは明言していないが、秋元氏はマイクロソフト社を例に出し、「配当に回すカネがあれば全部、設備投資に回して成長を続けたから、投資家たちは誰も文句を言わなかった」とした上で、「あるとき、ビル・ゲイツは配当を始めたんです。たぶん、そこがマイクロソフトのいっぱいいっぱいのところで、その先のビジョンが見えなくなったんだと思います」と分析。
「AKBに配当らしいものは一切ない」「東京ドームの公演は6億円の赤字が出たそうです」と、攻めのアイドル経営哲学を披露している。
日頃は政治家から強気の発言を引き出すことで知られる論客の田原氏だが、なぜAKBに惹かれて本まで出したのか。
田原氏は本紙の取材に、「秋元さんを知ろうと思って、AKB劇場を見に行ったら、AKBにハマってしまった。劇場全体が一体となって盛り上がっていることに驚いた」と語る。
そして、「メンバーだけが盛り上がっているのではなく、ファンとのコミュニケーションが取れていて、ファンがAKBを育てているという芸能界の今までになかった新しさを感じた」と話す。
いわゆる“推しメン”は、リーダーの高橋みなみ(21)で、「特にたかみなの一途さにハマってしまった。AKBがわからない人たちもこの本を読めば、その盛り上がりがわかるんじゃないか、と思う」と、すっかりゾッコンだ。
アイドル本ではなく、ビジネス書としてヒットメーカーの秋元氏に斬り込んだ著書は、話題を呼びそうだ。