安倍首相:デフレ脱却策ずっと考えた 毎日新聞インタビュー
2013年01月27日
−−公明党の山口那津男代表と会談した中国の習近平総書記は日中の首脳会談に前向きで、「ハイレベルの対話が大事」だと言ったそうですが。
◆民主党政権時代に日中関係が悪化したのは事実ですね。日中が対話していく、対話ができる状況を維持していくことは両国の国益ですし、地域の平和と安定にも資するわけですから、(首脳会談の)再開を模索するということは当然だろうと思いますよ。
−−総理は、ご自身を「右派」だと認識しておられますか。
◆右派・左派ということは、見る人の立ち位置によって大きく違ってくるんだろうと思います。安全保障観においては、私はまったく世界のスタンダードだと思ってますけどね(笑い)。
−−毛沢東が右派のニクソン(元・米大統領)を評価し、「ホンネとタテマエを使い分ける左派の連中とは違う」と語ったという逸話がありますが。
◆それはよくあることでしてね。(外交交渉で相手国の)国内の反発が予想される場合、反発する側に所属をしている人と交渉することで反発を低減させることができるわけですよ。
ついでに言えば「タカ派は結果を出すことを重視するが、ハト派は『ハト派』と言われることをもって貴しとなす」というところがある。毛沢東は、結果を出すタカ派のニクソンを選んだということだと思いますね。
−−習総書記とウマが合いそうですか。
◆それは分からない。まだ会っていないし、情報も十分ありませんからね。
−−歴史認識についてうかがいます。従軍慰安婦に関する河野洋平官房長官談話(93年)を見直すのですか。
◆これは閣議決定を経ていない官房長官談話なんですね。そもそも外交問題化、政治問題化させるべきではない。ですから、私はこういうインタビューにおいてもお答えしない。官房長官談話ですから、官房長官のところで対応すべきだという考え方です。
■憲法改正
−−憲法改正の手順については?
◆96条からいくべきだろうと思いますね。<注=96条は改正手続き規定。現状では両院で3分の2以上の賛成がなければ改憲を発議できない。ハードルが高すぎるので「両院の過半数の賛成」に改めるべきだという批判がある>
96条の改正にも3分の2の(多数派の)形成が必要ですが、国民の6、7割は憲法を改正すべきだと考えている。<注=昨年9月の毎日新聞の世論調査で改憲賛成は65%>