浜松市浜北区の女性(40)が、娘の写真を学校のサイトに掲載することを拒否したのに、学校が載せたとして、市教育長や市教委担当者の謝罪を求める訴訟を静岡地裁浜松支部に起こした。
訴えを起こしたのは、小学四年の長女と二年の次女が同区内の小学校に通う女性。
訴状などによると、女性は学校に提出する調査票で、学校のサイトや学校便りなどの印刷物に娘が写った写真の掲載を「許諾しない」と回答した。だが、昨年五月中旬、学校のブログに次女が写った画像を見つけた。学校に抗議し、画像を消去させたが、女性がブログを再確認すると別にもう一枚あり、再び抗議。学校はブログを閉鎖した。九月には、学校のホームページ上に次女の画像を発見。授業参観時の画像で、女性も写っていた。
女性は、市教委に学校の担当者らの処分を求めたが、いずれも校長らへの口頭注意のみだった。市教委も不掲載の意向を知っていたとして、教育長らの謝罪を求めたが、断られたという。昨年十月、調停を申し立てたが、不成立となった。
二十五日の第一回口頭弁論で被告は請求棄却を求めた。石川慧子裁判官は原告に、被告の行為が妥当なのかの判断を求めるのであれば、慰謝料の請求が一般的だと説明。女性は次回期日までに検討すると述べた。
女性は取材に「掲載するかどうかの選択を学校自らが提示したのに、守らないのは怠慢。同じ過ちを繰り返しており、学校を管理する市教委が謝って改善してほしい」と訴えている。
市教委は「掲載前に画像に児童が写っているかの確認が十分ではなかった。ただ校長が既に謝罪している」と話した。
神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「サイトの画像は世界中の人が見られ、未来永劫(えいごう)残る。載せる場合はその都度保護者に確認すべきだ」と話している。
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