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'13/1/24

横断歩道の先に「落とし穴」



 横断歩道を渡ると、そのまま「落とし穴」のような水路につながる交差点が、福山市手城地区の市道に少なくとも13カ所ある。昨年11月、自転車の船員男性(62)=宮崎県=が転落死したのもその一つだった。市は事故現場に転落防止柵を設ける一方で、この市道沿線を緊急点検。3月末までに全てに防止柵を設けることを決めた。

 転落死の事故現場近くの市道の横断歩道。東側から、幅3メートルの白線のほぼ中央部を渡ると、最後の白線のわずか75センチ先に水路が口を開けている。夜は非常に危険だ。

 市道は、東西を結ぶ手城地区の幹線道路。この1・5キロ区間に14交差点あり、うち13交差点は横断歩道の先に幅30〜135センチ、深さ50〜125センチの水路がある。残る1カ所は横断歩道はないものの水路に接している。

 問題は横断歩道の横幅。その先の歩道は幅2メートル前後しかないにもかかわらず、幅3メートルまたは4メートルの白線が引いてあり、はみ出した格好の横断歩道は水路につながっている。

 福山東署によると、横断歩道は、広島県公安委員会が警察庁の交通規制基準に従って設置。幅を狭めるケースもあるが、手城地区の経緯は「設置時期が古く不明」という。

 危険性の指摘は以前からあった。市は2010年、「横断歩道を歩いていて落ちた」との市民の連絡で、一部の水路脇にオレンジ色のゴム製ポールを設けた。ただ転落を物理的には防げない。

 近くの主婦(78)は「安全であるはずの横断歩道が危ない場所につながっている。特に夜は怖い」と訴える。

 手城地区は市と住民との協議が長期化し、転落防止柵のない水路が他にも目立つ。市道路整備課の小川政彦課長は「全域の対策実現に向けて今後も協議に努める」と話している。

【写真説明】横断歩道の先で「落とし穴」のように開いている水路(福山市南手城町4丁目)




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