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シニアクラブ
2013/1/27
(日)
<まる見えリポート>県議会の飲酒運転防止条例検討会 撲滅向け常習者に焦点
【飲酒運転の根絶を呼び掛けるビラやポスター】
県議会は県飲酒運転防止条例検討会(中川康洋座長、九人)を昨年十月に設け、同条例の六月制定を目指している。厳罰化で飲酒運転の取り締まり件数は減ってきたが、根絶には至らない。検討会では、罰則強化の意見はなく、飲酒運転の常習者に焦点を当て、飲酒運転で摘発された場合のアルコール依存症の受診義務などが提案されている。飲酒運転撲滅は厳罰化から、次の段階に差し掛かったようだ。
(県政・奧山隆也)
県警が一月一日発表した昨年の交通死亡事故の発生状況によると、飲酒運転が絡んだ死亡事故は四件で、前年から二件減少した。検討会で県警は、「飲酒運転が絡む人身事故は年々減少し、飲酒死亡事故は平成十二年の四十二件から、二十三年には六件に激減した。運転代行業は右肩上がり」と説明する一方、「高齢者の飲酒運転が結構目立つ。それも昼から。自分が免許を取った時は罰則が重くなかったからかもしれない」と話した。 検討会に参考人として出席した県立こころの医療センターの長徹二医師は、飲酒運転経験者のうち「アルコール依存症の疑い」は男性で38%、女性で32%に上った神奈川県の平成二十年の調査結果などを紹介し、「厳罰化だけでは飲酒運転の習慣は変わらない。米国では飲酒運転の問題をアルコール依存症の予防と治療の観点から取り組み、成果を上げている」と指摘した。「米国では常識だが、飲酒運転での検挙一回目でアルコール依存症の受診を義務付けてはどうか。日本初となるインパクトがある」と提案した。
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検討会では、「厳罰化の限界がきていて、ほかの刑罰との整合性を欠いている。県として、厳罰化でない方法で、飲酒運転の根絶を目指すアプローチをしてはどうか」「取り締まりについては法律がある。アルコール依存症などの飲酒運転を起こす背景への対策が条例の役割になってくる」など、厳罰化とは一線を画し、アルコール依存症対策に踏み込む意見が大勢を占めた。
一方、国会のアルコール問題議員連盟が飲酒運転対策を含むアルコール健康障害対策基本法の制定を進めているため、中嶋年規委員(自民みらい、三期、志摩市選出)は「アルコール依存症対策は大きな論点になる。どこまで盛り込むべきか悩んでいる。国の動きを横目で見ながらとなる」と注意を呼び掛けた。
条例に盛り込む内容について各委員が文書で提出し、「県は飲酒運転違反者に対して、県が指定した医療機関でアルコール依存症に関する診断を受けることを義務付ける」「県は、診断を義務付けた者が、一定期間、受診しなかった場合、家族に対して受診協力の依頼を要請することができる」などとされた。
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飲酒運転防止条例は、平成十八年に福岡県で起きた飲酒運転に絡む幼児三人の死亡事故の衝撃を受け、大分県議会など五県議会が議員提案で制定している。福岡県の条例では、再度の飲酒運転違反者に対するアルコール依存症検査の受診義務を規定し、受診義務違反者には五万円以下の過料を科している。
検討会では、飲酒運転の常習者に的を絞り、飲酒運転根絶に向けて実効性を高める方向だが、罰則強化で取り締まってきた道交法とは役割を異にする条例の狙いを県民に伝える努力が必要だ。また、警察庁が導入を予定している、飲酒運転で免許を取り消された人に限定した免許再取得の新講習とのすみ分けも課題になってくる。新講習ではアルコール依存症の治療法を参考にし、一日の飲酒量の上限を決め、飲んだ量や状況を三十日間、日記につけ、カウンセリングを義務付ける。
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