上杉隆の東京脱力メールマガジン Vol.180
きょう(1月26日)第二回目の自由報道協会賞が開かれる。発足してからちょうど2年(2011年1月27日)、公益法人になり、委員会選考に変わってからは初のアワードだ。
果たして大賞は誰の手にわたるのか? 協会の一員としても楽しみだ。
だが、一方で大いなる悲しみもある。予想していたとはいえ、あの人がいないのだ。
第一回自由報道協会賞の主役で、大賞の冠にその名を付けていた日隅一雄氏のことである。
日隅さんは、この自由報道協会賞の創設と成長に並々ならぬ意欲を示していた。
「上杉さん、とにかく最低三年間、この賞を続けてください。そして、できたら自分のように陽の当たらないジャーナリストたちを見つけ、励ましになるような賞に育ててください。それが私からのお願いの一つです。もしできなかっ
たら、化けて出ます」
そう言い遺して、日隅さんはこの世を去った。だが、今回、自由報道協会賞は、その日隅さんの名前を対象の冠から外した。
それは決して委員会が臨んだものではなかったのだが、協会もこの悲しい決定に従うことになった。
最終的には、大貫アワード委員会委員長と協会代表理事の筆者の判断によって、自由報道協会は「日隅一雄賞」の看板を静かに外したのだが、その理由は、ここでは明らかにしない。
授賞式当日、あるいは、そのことに触れるかもしれないが、そうしないかもしれない。
いずれにせよ、自由報道協会賞には日隅さんの精神が宿っていることだけは、ここに書き留めておこうと思う。
「死人に口なし」とはよく言ったものだ。
これから書くことは本当の話だが、あまりに、最近のことであり、しかも身近な人々が当事者になっているがゆえ、抑え気味に書かなくてはならないのだ。
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