1位「走れ!ペンギン」を歌う島崎遥香(中) =東京ドームシティホール(撮影・今野顕)【拡大】
AKBの新たな歴史が刻まれた。2連覇中だった「ヘビロテ」が4位に転落。余韻のざわめきが残る場内に緊張感が走る。注目の第1位。スクリーンに「走れ!ペンギン」のタイトルが浮かび上がる。興奮、感動…2000人のファンの感情が大歓声となって会場を揺らした。
ぱるるを筆頭にペンギンのコスプレで登場したが、すでに涙ぐむメンバーも。それでも若手で構成された16人は1位の誇りを胸に、高橋みなみ(21)、篠田麻里子(26)ら大先輩たちが見守る前で、元気いっぱいに躍動した。
「みんなと歌って踊ることはできないと思っていたので、すごくうれしいです」。ぱるるが充実の表情を浮かべた。歌唱中から号泣していた島田晴香(20)は「チーム4のみんなが大好きな『走れ!-』を、解散しても忘れないでいてくれたファンの皆さんが温かいと実感しました」と再び涙。ファンは「チーム4!」コールで応えた。
本来は2011年9月の第2回じゃんけん大会の選抜メンバーにシングルとして作られた曲だった。しかし“看板選手”の篠田が勝者となりシングルは、この日3位に入った「上からマリコ」に変更。「走れ!-」は同年6月に結成されたばかりだったチーム4に与えられた。
恋に奥手な少女をペンギンに例え『走れ』『飛べよ』などと激励。恋の1等賞(=センター)をつかめと鼓舞する応援ソングで、まさに1位をつかみ取った。同曲のセンターを務めたぱるるは、“エース予備軍”として急成長中だ。
ファンも同曲をリクアワで復活させようとネットで投票を呼びかけた。4のキャプテンだった大場美奈(20)はサンケイスポーツの取材に「握手会でファンから『1位にするからね』と言っていただいていた。皆さんが努力してくれたと思うと幸せです」と万感の表情をみせた。
「ファンの皆さんのおかげで、(チーム4が)また集まることができました。ありがとうございました!」。ぱるるは笑った。昨年9月の第3回じゃんけん大会の勝者で、次世代エースがセンターの“神曲”が1位に輝き、リクアワの幕は閉じた。それは同時にAKB48第2章の幕開けを告げる、さらなる進化への大きな一歩となった。
(紙面から)